初期の『ドラゴンボール』に見られる『西遊記』要素
『西遊記』との繋がりは主人公の悟空だけではない。悟空ほど明白ではないが、『ドラゴンボール』初期から登場するキャラクターもまた、『西遊記』からインスピレーションを受けているものが多い。例えば、ブルマの原型は三蔵法師だ。
ブルマから僧侶のイメージは連想しづらいかもしれないが、物語開始当初は彼女がドラゴンボールを探すことが物語のメインテーマであり、三蔵法師が仏典を探し求めて旅をするという『西遊記』のストーリーになぞらえている。
ウーロンは、三蔵法師の弟子で変幻自在の豚の精霊、猪八戒がモデルであり、両者とも大食漢で欲望にまみれた性格でも知られている。三蔵法師の三人目の盟友は沙悟浄で、後に僧の旅に同行することで贖罪される鬼と化した男。『ドラゴンボール』では、この役割をヤムチャが担っている。ヤムチャも最初は悪役として登場し、その後すぐにブルマと悟空の仲間となった。
また、『ドラゴンボール』で後に悟空の舅となるに登場する牛魔王は、『西遊記』の牛魔王と登場エピソードが同じであり、故郷も似ている。