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こんな芝居、神田伯山にしかできない…「クラガリに曳かれるな」の意味とは? 劇場アニメ『クラユカバ』徹底考察&評価レビュー

劇場アニメ『クラユカバ』『クラメルカガリ』が4月12日より公開中。手掛けたのは、短編アニメ『甲鉄傳紀』などで人気の塚原重義監督。今回はファンタジア国際映画祭で長編アニメーション部門の「観客賞・金賞」を受賞した『クラユカバ』のレビューをお届け。(文・ジュウ・ショ) 【あらすじ キャスト 声優 考察 解説 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:ジュウ・ショ】

フリーランスとしてサブカル系、アート系Webメディアなどの立ち上げ・運営を経験。コンセプトは「カルチャーを知ると、昨日より作品がおもしろくなる」。美術・文学・アニメ・マンガ・音楽など、堅苦しく書かれがちな話を、深くたのしく伝えていく。→note

塚原重義監督による初の長編作品
空前絶後の活劇浪漫

©塚原重義/クラガリ映畫協會
©塚原重義クラガリ映畫協會

2024年4月12日(金)、劇場アニメ『クラユカバ』『クラメルカガリ』が同日公開となった。『甲鉄傳紀』などの短編作品や、 SEKAI NO OWARIのライブでのアニメーション作品などでカルト的な人気を博した塚原重義監督の初長編作品だ。

今回はクラウドファンディングで制作費を集めたことでも話題となった『クラユカバ』について、公開初日に劇場で観覧してきたので、さっそくレビューをしていきたい。

あらすじは以下の通りだ。

ものぐさ探偵の荘太郎(神田伯山)は、先祖の遺産を切り売りしながら堕落した生活を送っていた。

ある日、古くからの友人であるジャーナリストからの依頼を受け、謎の集団失踪事件の調査を請け負う。しかし、調査に本格的に着手する前に、彼の信頼する情報屋であるサキ(芹澤優)が地下ギャング集団「福面党」に誘拐されてしまった。

事件の真相を突き止め、サキを救出するため、荘太郎は「クラガリ」と呼ばれる街の暗闇に広がる領域へと降りる。そこで彼は、装甲列車「ソコレ四六三」がギャング集団を蹴散らし、その指揮官であるタンネの姿を目撃する。

今作で監督を務めたのは塚原重義。数々のアニメーション作品を制作し、コアなファンから支持されているアニメーション監督である。

筆者を含め、30代以上にとってはフラッシュアニメ『ウシガエル』(2004)の印象が強いのではなかろうか。2ちゃんねるやニコニコ動画が黎明期のころに大人気だったフラッシュアニメのなかでも“史上最高”といわれるほどの作品だ。

筆者も当時、ニコニコ動画で拝見して何度か見返した覚えがある。

そんな塚原重義氏にとって初の長編作品は、クラウドファンディングからはじまった。

当時コロナ禍において、アニメ制作陣が思うように動けない中、第二回のクラウドファンディングでは450人以上の支援者が870万円以上を支援している。

塚原監督をはじめ、皆川一徳氏、ぽち氏、maxcaffy氏、アカツキ チョータ氏など、一線で活躍するスタッフだからこそ、期待を込めて集められた金額だといえるだろう。エンドクレジットでは一部の支援者の名前も映し出された。

また2023年7~8月にカナダで開催された「第27回ファンタジア国際映画祭」で長編アニメーション部門の観客賞・金賞を受賞。まさに支援者の期待に応えた仕上がりとなっている。

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