「私の色を引き出していただいた」映画『バジーノイズ』桜田ひよりインタビュー。『silent』再タッグ、風間監督との出会い
SNSで『エモい』と話題を呼んでいる漫画原作の映画『バジーノイズ』が5月3日から公開された。今回は、風間太樹監督によるドラマ『silent』でもタッグを組んだ、本作のヒロイン・桜田ひよりのインタビューをお届け。川西拓実(JO1)との共演、役作り、ターニングポイントとなった作品についてたっぷり伺った。(取材・文:斎藤香)
ドラマ『silent』の風間監督と2度目のタッグ
ーーー映画『バジーノイズ』は、桜田さんが出演されたドラマ『silent』(フジテレビ/2022)の風間太樹監督作でした。一度共演されていることもあり信頼感のある撮影だったのではないでしょうか。
「そうですね。『silent』のときは、役について監督と深く話し合って作り上げていったんですが、今回、潮役についてはもちろんですが、桜田ひよりとしてパーソナルな話を聞かれることが多く、楽しかったです」
ーーー風間監督は、桜田さんのパーソナルな部分を引き出そうとしたんですね。その意図はなんだったのでしょう?
「監督は私を見ていて『何を考えているのかわからないときがある』とおっしゃっていました。それが何から来ているのかを知り、作品作りに反映させたかったそうです」
ーーー『何を考えているのかわからない』というのは、他の方にも言われたりしますか?
「すごく言われます(笑)こう言っているけど、本当にそう思っているのだろうかとか、何を考えているのだろうとか。自分が思い当たる節はないんですよね。みんながそう言うってことは、そう思われているんだ〜とは思っていますが、自覚がまったくないので謎です(笑)」
ーーー桜田さんが演じた潮は、人との距離の詰め方が早く、はつらつとした女性でした。役をどう解釈しましたか?
「潮は破天荒で、他人のパーソナルスペースにもどんどん足を踏み入れてしまう女の子ですが、とても繊細な一面もあるので、そんな繊細で女の子らしい内面も表現したいと、演じながら思いました。だから、清澄の部屋のガラスを割ったシーンも『潮ちゃんならこういうことしちゃうかもね』と見ている人にも思ってもらえるんじゃないかと。どこか見守ってあげたくなる女の子だと解釈して演じました」
ーーー桜田さんご自身と潮に共通点はありますか?
「私はどちらかというと、物事にのめり込むタイプなのですが、すべきことがあるときは、その直前に踏みとどまれるところ、今どちらが重要かを選択する冷静さを持ち合わせている点は似ていると思います。
潮は、清澄の音楽に没頭しますが『これでいいのか』と、立ち止まって考える冷静さを持っていました。私も物事にのめり込みがちなんです。何かに夢中になってしまうと手元に台本があっても開かなかったりすることもあって…。でもギリギリのところで『そうだ、これを読まなくては!』と、スイッチが切り替わるタイプで、仕事が終わったら夢中になっていたことに戻る…みたいな(笑)。潮ちゃんもそういうタイプなので、そこは似ていると思います」