『トラペジウム』制作裏話に会場も大盛り上がり!
公開から1週間が経ち、原作者の高山は「皆さんの感想を見ていると『ああ、わかる!』『“いいね”をつけたい!』と思えるものばかりで、どのご意見も正解だと思います。『トラペジウム』は不等辺四辺形という意味で、うまくいかないこととか、ただのきれいな話にはしたくないなという気持ちで書いた作品なので、いろんなご意見をいただけることが『トラペジウム』というタイトルと繋がっているようですごく嬉しいです」と、様々な形で作品が受け入れられていることに感慨深い様子。
主人公・東ゆうの声を演じた結川は、「たくさんの感想の声が、私のところにも届いています。特にゆうに関しては、私は演じている側なので愛着があるけれど、観る方によって全く違う見え方があるんだなというのを改めて感じていて。『トラペジウム』がいろんな方に影響を与えているのを見て、本当にすごい作品だというのをあらためて実感する日々です!」と、SNSを中心に大きな話題を呼んでいる本作の影響力の高さに言及した。
乃木坂46 1期生として高山と深い親交があり、ゆうたちが出会う観光ボランティアおじいさん役の声優を務めた西野は、「声優のお話をいただいた時は笑っちゃいました!おばあさんならまだわかるけど、って(笑)でも、かずみん(高山)や内村さんと一緒におじいさんの役を演じると聞いて、それなら心強いと思いすぐに『やりたいです』と答えました」と、出演を即決したことを明かす。
高山も西野と同じシーンで別のおじいさん役で声の出演を果たしているが、二人のアフレコは一緒に行われたのだという。「かずみんと一緒にアフレコできてよかった!グループ活動していたときは、おばあさんみたいな声を出して会話する遊びもしていたので…二人の世界でした(笑)」と、西野から高山との仲の良さが伝わる収録秘話が飛び出した。
同じく観光ボランティアのおじいさんの一人、伊丹の声を演じた内村は、「六か国語を話す通訳ボランティアという役でしたが、結果英語など話すことなくアフレコが終わってしまいました。おじいさんの役は初めてだったので、監督からは『もっとおじいさんに!もっとおじいさんに!』とディレクションされたりしましたね」と収録を振り返り、会場を笑わせた。
続いて話題は、本作でそれぞれが印象的だったポイントについて。結川は、「映画の後半、ゆうが現実に打ちのめされて、お母さんに声をかけてもらうシーンが心に残っています。『私って嫌な奴だったよね?』とゆうが聞いて、お母さんが『そういうところもそうじゃないところもあるよ』と答える。
否定も肯定もせずすべて含めてあなただよといってくれるお母さんの厳しさと優しさが、自分に言われたような気持になって感情がこみ上げてきました」と、お気に入りのシーンについて言及。
これに対し、西野は「私もまさにそのシーンが好きで、特にベランダでゆうが泣いている声が好きでした!声を上げるんじゃなくてリアルな泣き声で、感情移入してしまう素敵な演技でした」と結川の泣きの演技を大絶賛!
対する結川は、「嬉しいです!あれは落ち込んで泣いている時の私の泣き方ですね(笑)」と、まさかの告白で応えていた。
内村は「オープニングで『高山一実』の名前が大きく出た時に、ここまで来たか!と思いました」としみじみ語りながら、「南房総をイメージした街並みとか、光とか、絵がすごくきれいですよね。それから僕は、車いすの少女が遠慮がちにゆうに『おねえちゃんがこれを着て』とアイドルの衣装を手渡すシーンで泣いてしまいました。ラストにも繋がるいいシーンなんですよね」と好きなシーンについて熱弁。
「あと、ゆうは舌打ちするんだよね。王道ではない異色のヒロインで、今までにない新しさだなと思いました」と、斬新なヒロイン像についても語った。
これに対し、ゆうの声を演じた結川が「何度か舌打ちのシーンが出てきますが、アフレコでリテイクはなかったので、私は舌打ちが得意だったみたいです(笑)」と語り、会場も大盛り上がり!
そんな結川から、“東西南北”の中で自身に一番近いキャラクターを聞かれると、西野は「“東西南北”は4人とも個性がすごいからなあ…私はどの方角になりますかね?(笑)」と高山に逆質問。
対する高山は「なーちゃん(西野)は、“東西南北”のどれでもないと思う。なーちゃん(西野)はグループ活動をしている時は“中心”でした。主人公のゆうは色々経験して大人になって、人として大きくなって、やっと“方角じゃない”姿になれた。なーちゃんはまさにそれ(方角じゃない)です!」と、原作者、そして“盟友”としてコメントした。
さらに自身と近いキャラクターについて、「(木全翔也さんが演じた)真司が、女子高生の制服が好きなキャラクターなんですが、今日も車の窓から制服の女子高生をみて『やっぱり制服いいな』と思ったので私は強いて言うなら真司かも(笑)」と、まさかの分析で会場を沸かせていた。
また、結川から「高山さんしか知らない『トラペジウム』の秘密を教えてほしい」という質問に対しては、高山自身が作詞を手掛けたエンディングテーマ曲にして、“東西南北”の4人が歌う「方位自身」についての裏話が披露された。
「華鳥蘭子のパートである『影に開く 花は美しいと 誰 囁いた人』という歌詞は、“蘭子”だから花を入れてみました。大河くるみのパート『例えば 今ここで 君と出会って』の『君』は、実はゆうを指しています」と、これまで明かされてこなかった歌詞の秘密についてコメント。
高山はさらに「ほかにも、キャラクターの背景とか一人一人色々考えているので、何か気になることがあれば街で会ったとき聞いてください!話したいことがいっぱいあるので!」と語り、会場からは大きな拍手が。