出口亜梨沙 「映像は監督のこだわりが詰まっています」
完成映像を観たときの驚き
―――監督のこだわりが、映像の美しさに表れているのもこの作品の特徴かなと思います。現場で演じられているときと実際に映像を観たときで違う感想を抱いたのではないでしょうか?
木ノ本「全然違いましたね。現場のモニターでチェックした映像とはガラッと変わってるんですよ」
出口「映像は監督のこだわりが詰まっています。撮影中にも編集ができたらすぐに『こういうふうになります』と送ってきてくれて、完成の画をめちゃくちゃ細かく伝えてくれてたんです。もう音楽もついていて」
木ノ本「その音楽も想像を超えた音楽で。監督から『音楽をつけようと思います』とは聞いていたんですけど、現場で撮ってるときはポップになるのか暗くなるのかわからないじゃないですか。それが絶妙な映像と音楽のバランスになっていて不思議でしたね」
―――たしかに、映像の美しさや音楽へのこだわりが、物語の不穏な感じをより強調していますね。感情的に負荷のかかるシーンも多かったと思います。
出口「私は1番周りから人がいなくなっていく役なので……体力的にも大変でした」
木ノ本「僕は辛い思いをしているひとを励ますって難しいなと感じました。落ち込んでる人にどう言葉をかけたらいいんだろう? 逆に傷つけてしまうのかなっていう葛藤みたいなものを維持し続けるのはしんどかったですね」
―――一方で、冒頭のお2人の幸せそうなシーンも印象的でした。
木ノ本「あれはめちゃくちゃ照れ臭かったですね。お姫様抱っこをしていて、カットがかかった瞬間に『あ、えっと……』って(笑)」
出口「たしかに、わたしも『すみません、すみません……』みたいな(笑)」
―――いまのお2人を見ているとちょっと想像がつかないですね。
木ノ本「そういうものを経てですね。2人で死線なのか、修羅場なのか、乗り越えてのいまですね。戦友みたいな感じ」
出口「たしかに。戦友かも」