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工藤「“好き”という気持ちは映っている」
タイトルに込められた想い

写真:武馬玲子
映画監督の工藤渉。写真:武馬玲子

―――HPでの工藤監督のコメントには、「禁欲にかける想いを古谷君から聞いたのが面白かった」と書かれていましたが、具体的にはどんなお話をされましたか?

工藤「『なんで禁欲にしたの?』って聞いたら、『いや、モテたくて!』…いや、そうなんだろうけど、悩むにしても、もっと別なことないの?と思いましたね。何言っているのか全然わからなくて、コイツやべぇ奴だなと思いました(笑)。

ただとにかく自分を変えたいんだなっていうのはわかったし、監督もそうですけど、役者さんって何歳までにこうしたいっていうのは自分では選べないし、その足掻きみたいな部分は上手く作品に昇華できるかもしれないっていうのは思いましたね」

―――鈴木太一さんが脚本に入ってから、どんな風に変わりましたか?

工藤「それがかなりぶっ飛んでいて、主人公とヒロインの2人が自慰行為を見せつけ合って戦うっていう話を書いてきたことがあって。どうすんだよこれと思って(笑)」

―――それはそれでちょっと面白そうではあります(笑)。

工藤「太一さんに『これ無理ですよ』と伝えて、その後書き直してもらったものをチェックして、何度か改稿しましたね。ただ太一さんの書いたものは面白かったし、パワーは残したかったので、削るのは個人的には辛かったですね。古谷君もノリノリだったし」

―――『僕の月はきたない』というタイトルはどなたが付けられたんですか?

工藤「僕が付けました。一人称にしたかったんですよね。あと『月が綺麗だね』という口説き文句と逆の意味を込めたかったのと、メインビジュアルにも使われているんですけど、架乃ゆらさん演じる海野琴絵が古谷君を見つめ、古谷君は月を見たいと仰ぎ見るけど見ることが出来ないというくだりも関係していて。

あとこれは中二病っぽくて恥ずかしいんですけど、本編で月は出てこないんですよ。でも“好き”っていう気持ちは映っているなと思いまして、“僕の好きはきたない”という意味も込められています」

古谷「初めて知りました!タイトルのことを聞いても答えてくれなかったですもんね」

工藤「恥ずかしすぎて誰にも言えないと思ってさ(笑)」

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