工藤「土壇場で考えた方が意外と良かった」
現場で急遽変更したシーンについて
―――ヒロイン・海野琴絵役の架乃ゆらさんと共演してみていかがでしたか?
古谷「共演シーンは撮影の後半からで、そんなに会話もしてないからまだ打ち解けてない感じだったんですけど、ベンチでのシーンでいきなりアドリブをぶっ込んできて、“この人度胸が凄い”と思いましたね」
―――今回、ベテランの仁科貴さんと芹澤興人さんとも共演されていますが、個人的にはあのお2人が登場するとコメディ感が増すような感じがして、映画に活気をもたらしてくれる存在だなと思います。現場ではいかがでしたか?
古谷「仁科さんと芹澤さんは安心感が半端ない。和尚様から写真集を返してもらうシーンは、芹澤さんに感情を乗せていただいたような気がします。
仁科さんは劇中では破天荒な役柄ですけど、めちゃくちゃ優しくて、撮影の待機時間に色んなお話をさせていただいて、お芝居のことはもちろんですけど、『この近くに美味そうな穴子屋さんがあって、この後食べに行くんだよ』というようなことまで。本当に無邪気で素敵な方でした」
―――現場での印象的なエピソードを教えてください。
工藤「ベンチでのシーンは、最初は2人で歩きながら撮るつもりだったんですけど、撮影も終盤に差し掛かっていたのもあって、スタッフ陣があまりにも疲弊しているのに気がついて…“俺はなんてことしてしまったんだ!”と。とりあえず移動することは辞めて、『ここで撮るので5分時間ください』って言って、その間に休んでもらいつつ考えて。あれは本当に焦りましたね」
―――監督がちゃんとスタッフの疲労具合を感じて、切り替えられるのは凄いことですし、素敵です。
工藤「本当のこと言うと、『考えた計画が全部無くなったー!』とは思ったんですけど(笑)。でも個人的には上手くいったなと思っているんです。スタッフも休ませられたし、土壇場で考え方が意外と良かったのかなと思うと結果オーライだったなと。あと古谷君がスタッフに好かれていて、ツッコミが追いつかないっていうのは覚えている」
古谷「きっかけを作り出したのは工藤監督ですから。監督が言えばみんなも“大丈夫なんだ”っていう空気になるから、スタッフ全員からいじられてツッコミが追いつかなくって(笑)」
―――撮影してない時も撮影してるみたいな(笑)。
古谷「むしろそっちがメインみたいな(笑)」