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工藤「生きるとは旅」
古谷「欲望に対してネガティブにならずに素直に出す」

写真:武馬玲子
写真武馬玲子

―――本作を製作するにあたって、参考にした作品はありますか?

古谷「僕は本作の脚本を書いている時に、山下敦弘監督の『リアリズムの宿』(2003)をやりたいと思って、映画を流しながら書くみたいな感じでしたね。自分にそれが出来るかどうかはわからなかったけど、オフビートコメディが出来たらいいなと思っていたので憧れの1本ではありましたね」

工藤「僕は脚本を書いている時に、『リアリズムの宿』はもちろん観ていたし、同監督の『もらとりあむタマ子』(2013)とかも観ていたんですけど、一番参考にしたのは『こち亀』ですね。

両津勘吉が好きで、最初は主人公を行動的で尚且つ人情家というキャラクターにしようと思っていたんですよ。古谷君もそっちのけがあるし、多分ハマるなと思って漫画を50巻くらいは読み直しましたね。あとは『ドン・キホーテ』の風車に立ち向かうオジサンをイメージして脚本に落とし込みました」

―――この映画は、生きることを体現してる作品だと思ったのですが、お2人が考える“生きること”について伺えればと思います。

古谷「真面目にこれに答える日が来るとは思わなかったです(笑)。やっぱり死ぬまで勉強じゃないですかね」

工藤「僕は生きることについて自問自答したことがあって…でもこれめちゃくちゃ恥ずかしいな(笑)。僕は旅することだと思っているんですよ。違う場所に行った時に、どう自分が感じるかという、その旅をずっと繰り返していきたいと思っているので、生きるとは旅をすることです」

―――最後に本作をこれから観る方にメッセージをお願いします。

工藤「色んな生きづらさがあると思っていて、それは僕自身も感じていることなんですけど、今はこの時代特有の生きづらさがあるのかなと思います。そこに対する答えはわからないし、人がどう感じるかはわからないですけど、人も自分も肯定して生きていけるようになればいいなと思っています。この映画はそういうことを描いている作品なので、真面目に観る必要はないんですけど、そんなことを感じてもらえるといいなと思っています。是非劇場にお越しください」

古谷「この映画は生きることに対する作品です。“生と死”とポスターにも書いてありますが、もう一つの“性”の意味もあって、劇中での和尚様のセリフで『欲望には良い欲と悪い欲がある』とありますが、自分の欲望に対してネガティブにならずに素直に出せる人間になれたらいいなと僕は常に思っているんです。この映画はそういうことを描いていますし、人生どうなるかわからないですけど、一所懸命に生きたいと思っています。是非観てほしいです」

写真:武馬玲子
写真武馬玲子

【作品情報】

出演:古谷蓮、架乃ゆら、仁科貴、国保裕子、鹿野裕介、坂牧良太、吉田浩太 / 芹澤興人
監督:工藤渉 脚本:鈴木太一 プロデューサー:吉田浩太、後藤剛
音楽:零式 主題歌『よろこびの歌』

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