湊人と雪乃を繋ぐ楽曲「Secret」に込めた思い
―――音大が舞台になっている本作には、数々のショパンの名曲が使われていますが、湊人と雪乃を繋ぐ楽曲「Secret」は、日本アカデミー賞でいくつも受賞歴のある作曲家・富貴晴美さんによって書き下ろされたものです。2人の想いを繋ぐ旋律に聴き惚れる素敵な曲ですが、監督からはどのような要望があったのでしょうか。
「オリジナルの『言えない秘密』でも、素晴らしい曲がたくさん出てくるんです。ですが、『Secret』がどういう曲だったか思い出せなかったんですよ。だからリメイクをするにあたって、メイン曲となる『Secret』が観終わった後にも思い出せるようなフレーズの曲にしたいと思って、それを富貴さんと最初にお話ししました」
―――出来上がった曲を聴いてどう感じましたか?
「何曲か候補をいただきましたが、この曲を聴いたときに『まさにこれだ。この曲しかない』と直感で感じました」
―――こちらの楽曲を聴いたキャストの方々の反応はいかがでしたか?
「京本さんと古川さんは、曲が決定した段階で聴いているので、『これ弾けるかな…』『これを連弾するのか』みたいな感情の方が強かったんじゃないかな(笑)」
―――古川さんはピアノ経験があったようですが、京本さんは未経験だったとプレス資料にありました。
「そうですね。それに、古川さんよりも京本さんの方がピアノを弾く描写が多いですから相当練習したと思います。彼には『これを全部弾いてもらうからね』っていうのを伝えていたので、少なからずプレッシャーはあったと思います」
―――京本さんと古川さんの、役者としての魅力についてお聞きできればと思います。
「1番に思うのは、2人とも自然体を作りこめることです。『自然にやってくれ』っていう要望が1番難しいと思いますが、それを作りこめるって、役への理解やその姿勢なども含めて、流石だと思いました」
―――特に海辺や公園で自転車を2人乗りするシーンは、お2人のお芝居がとても自然に感じました。
「少し素が出ている所もありますね(笑)」
―――デートシーンではアドリブが多かったのでしょうか?
「もちろんありました。台本にはないシーンですが、『ちょっとここでデートして』っていうイメージです」