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小泉今日子「さようならもゆっくりと味わいたい」映画『とりつくしま』キャスト&東かほり監督のコメントを公開

text by 編集部

もう1度、この世を見つめることができるとしたら…? 東直子の同名小説を原作とし、娘の東かほりが監督・脚本を務めた映画『とりつくしま』の公開が、9月6日(金)に決定。予告編の公開にあわせて、東かほり監督と、キャストである小泉今日子からコメントが寄せられた。

母が生み出した物語を、娘が監督した”特別な”作品

©ENBU ゼミナール
©ENBU ゼミナール

 今回公開された予告編では、インナージャーニーが歌う主題歌「陽だまりの夢」に合わせて、夫のお気に入りのマグカップになった妻や、だいすきな青いジャングルジムになった男の子の姿などが映し出されている。

 映画の公開に先立ち、東かほり監督と本作に出演する小泉今日子から寄せられたコメントを紹介する。

東かほり監督コメント

 いのちは本当に突然、うそみたいに消えてしまうことがあります。

 洗濯物をたたんだり、顔を洗ったり、ドラッグストアで買い物したりしている時にふと、あぁ、もうあの人は日常に存在しないんだと実感したり。思い出す瞬間って、何気なくて残酷です。

 原作の『とりつくしま』を読んだとき、もしかしたらモノになってそばにいるのかもしれないという救いがありました。

 本公開ができること、心からうれしいです。大切な人や、見守ってくれているかもしれないモノたちを想いながら観ていただけたらしあわせです。たくさんの方に届きますように。

小泉今日子(“とりつくしま係”役)コメント

 父親の葬儀が終わり、娘である私たち3姉妹が火葬場へ向かう黒塗りの車に乗り込むと、なぜか私の目の前に西陽を浴びて金色に光る小さな蜘蛛が糸を伝って降りてきた。幻覚? と思い、姉たちの方を見ると2人にも確かにその蜘蛛が見えているようだ。

「お父さんだね」と、長姉が小さな声で呟き、妹たちは妙に納得したのだった。それから私がピンチに陥ると必ず蜘蛛が現れる。現れるだけで何をしてくれるわけでもないのだが、30年も前に死んだ父親と未だに関わっている気分になる。

 たくさんの時間を費やして人は人と関わる。だからさようならもゆっくりと味わいたい。『とりつくしま』は、そういうことをとても丁寧に素敵に描かれている映画です。

【予告編】

【ストーリー】

 人生が終わってしまった人々の前に現れる“とりつくしま係”は、「この世に未練はありませんか。あるなら、なにかモノになって戻ることができますよ」と告げる。

 夫のお気に入りのマグカップになることにした妻、だいすきな青いジャングルジムになった男の子、孫にあげたカメラになった祖母、ピッチャーの息子を見守るため、野球の試合で使うロージンになった母。

 人生のほんとうの最後に、モノとなって大切な人の側で過ごす時間。

【作品情報】

出演:橋本紡、櫛島想史、小川未祐、楠田悠人、磯西真喜、柴田義之、安宅陽子、志村魁、小泉今日子、中澤梓佐、石井心寧、安光隆太郎、新谷ゆづみ、鈴木喜明、千賀由紀子、佐藤有里子、宇乃うめの、山下航平、山田結愛、村田凪、田名瀬偉年、富士たくや、富井寧音、松浦祐子、大槻圭紀、平松克美、熊﨑踊花、大古知遣
監督・脚本:東かほり
原作:東直子『とりつくしま』(筑摩書房)
主題歌:インナージャーニー「陽だまりの夢」
制作:Ippo 製作:ENBU ゼミナール 2024 年/©ENBU ゼミナール
公式サイト
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