俳優の魅力は自分じゃない誰かとして生きること
―――キャリアについてお話を聞きたいです。子役時代から現在に至るまで多くの作品に出演されていますが、ターニングポイントになった作品はありますか?
「すべての出演作が大切なのですが、ドラマ『あなたの番です』(NTV系、2019)の存在は大きいです。初めて狂気じみた暗い役を演じ、反響も大きく、皆さんに自分を知ってもらえるきっかけになった作品ですし、演じていて楽しかったので印象に残っています。満島ひかりさんの息子を演じたNetflixオリジナルドラマ『First Love 初恋』(2022)も特別な作品でした。寒竹ゆり監督の演出も素晴らしかったですし、映像が驚くほど綺麗で…。また、憧れの俳優さんがたくさん出演している大作に出演できたという喜びもありました」
―――初主演ドラマ『少年のアビス』(MBS、2022)も好評でしたよね。
「もともと原作漫画が大好きだったので、主人公である黒瀬令児を演じさせていただけるなんて夢のようだと思いました。演じるにあたって、原作の黒瀬に寄せるべきなのか、それともドラマオリジナルの黒瀬として演じるべきなのか悩みましたが、表情などは原作漫画を取り入れつつ、自分が考える黒瀬令児を演じようと思いました。とことん考え抜いて演じることができた大切な作品です」
―――荒木さんは子役時代から、いろいろな演技経験をされていると思いますが、荒木さんにとって演じることの喜びとはなんでしょうか?
「自分じゃない“誰か”として役を生きることが魅力ですね。自分からかけ離れた役ほど、芝居の楽しさが感じられます。自分と性格が近かったり、共通点が多かったりすると、心のどこかに“変だな”という違和感が生まれるんです。だから僕は『演じる役と自分は別人格』と、意識して演じています」
―――日本の映画界には、素晴らしい俳優がたくさんいらっしゃいますが、荒木さんが目標にしている人はいますか?
「『First Love 初恋』で共演した佐藤健さんです。以前、撮影の現場に母が付き添ってくれたとき、母は僕の仕事が終わるのを立って待っていたのですが、佐藤さんが気づいて『座ってください』と椅子をすすめてくれて、その姿にすごく感動したんです。僕も佐藤さんのように、周囲の人に気遣いができて、公私共に魅力のある俳優になりたいと思っています」
―――普段の振る舞いはお芝居にも影響ありそうですよね。あと先ほど「お化けの役がやりたい」とおっしゃっていましたが、それ以外に演じたい役はありますか?
「明るいコメディ系の作品をあまりやってこなかったので、コミカルな役にも挑戦したいです。真逆ですが、ウォン・カーウァイ監督の映画が大好きなので『恋する惑星』(1994)みたいに美しくてチャーミングな映画にも出演したいです」
(取材・文/斎藤香)
【作品情報】
タイトル:『あのコはだぁれ?』
2024年7月19日(金)より全国ロードショー
監督:清水崇
原案・脚本:角田ルミ、清水崇
出演:渋谷凪咲、早瀬憩、山時聡時、荒木飛羽、今森茉那、蒼井旬、穂紫朋子
今井あずさ、小原正子(クワバタオハラ)、伊藤麻実子、たくませいこ、山川真里果
松本諭、マキタスポーツ/染谷将太
製作:「あのコはだぁれ?」製作委員会
企画配給:松竹
製作プロダクション:ブースタープロジェクト”PEEA A BOO films”
製作協力:松竹撮影所 松竹映像センター
(C)2024「あのコはだぁれ?」製作委員会
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