ベルリン国際映画祭で“クレイジーな作品”と高評価
―――完成した映画をご自身で見た感想は?
「僕は自分の作品を客観的に観られないんです。デビュー作でさえ、まだ客観視できないくらいのダメ役者なんですよ(笑)。ベルリン国際映画祭では、ドイツのお客さんにとても喜んでもらえたので、日本公開されたらお客さんの反応も気になりますし、いろいろな意見をフィードバックした上で、改めてまた観たいです」
―――ちなみにドイツのお客さんにはどういうシーンが受けていたのですか?
「ニセ医者とのバトルシーンは笑いが起こっていました。『箱男、こんな風に走るんだ、闘うんだ』と思われたようです(笑)」
―――永瀬さんが出演依頼を引き受けるときの基準はありますか? どういうところに惹かれて出演作を決めるのでしょうか?
「知り合いの監督からの依頼で脚本を読まずに引き受けることもありますし、ある作品でボランティアとして参加してくれた18歳の大学生が作る映画に参加したこともあります。純粋に『どういう映画を撮るんだろう』って興味を抱いたので。そういうことが決め手になることもありますね。
脚本を読んで決めるときは、主演、助演に関わらず、途中下車をしなかった作品が多いです。つまり最後まで一気に読める脚本。ページを捲る手が止められないような脚本です」
―――永瀬さんはドラマよりも映画出演が多い、映画俳優のイメージが強いのですが、それは意識されてのことですか?
「今は映画やドラマだけでなく配信作品もあるので、さまざまな選択肢があります。僕もいろいろなことにチャレンジしたい気持ちはあるのですが、俳優としての自分を産んでくれたのは映画の現場なので、いつの間にか優先してしまう自分がいますね」
(取材・文:斎藤香)
【作品情報】
『箱男』
2024年8月23日(金)全国ロードショー
出演:永瀬正敏 浅野忠信 白本彩奈 AND 佐藤浩市
渋川清彦 中村優子 川瀬陽太
監督:石井岳龍
原作:安部公房『箱男』(新潮文庫刊)
脚本:いながききよたか 石井岳龍
プロデューサー:小西啓介 関友彦 ラインプロデューサー:稲垣隆治
撮影:浦田秀穂 照明:常谷良男 録音:古谷正志 美術:林田裕至
編集:長瀬万里 VFX:井上浩正 山田彩友美 カラリスト:カチョロフスキ・カロル
音楽:勝本道哲 音響効果:勝俣まさとし
スタイリスト:小笠原吉恵 キャラクタースーパーバイザー:橋本申二
ヘアメイク:山谷友里恵
助監督:佐藤匡太郎 制作担当:飯塚香織 アシスタントプロデューサー:安斎みき子
製作:映画『箱男』製作委員会
制作プロダクション:コギトワークス
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
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日本芸術文化振興会
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