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「セリフのやりとりがリズムに乗ってうまくいくと快感がある」演技の面白さについて

写真:wakaco

写真:武馬怜子

―――好きなシーンはありますか?

「マモルの編集担当者・林とのシーンですね。岡部たかしさんが演じているのですが、岡部さんがYoutubeで、役者仲間の方と即興芝居をしているのを見ていたので、林役が岡部たかしさんだって聞いたとき『え、マジか?』と、テンション上がりました(笑)。一緒にお芝居をするのが楽しみで仕方がなかったです」

―――実際に共演してみていかがでしたか?

「動きとか想像の斜め上をいく感じというか…。林という人物にリアリティを持たせるために体を乗り出すように話してみたり、動きも工夫されていて、こうやって人物を作り上げていくんだと。岡部さんが目の前で演じているのを見て、勉強させていただきましたし、とても楽しかったです」

―――岡部さんにYouTubeの即興芝居を見ましたという話をしたのですか?

「言ってないです」

―――そうなんですね。緊張しましたか?

「そうですね。岡部さんを前にして、緊張もしていたし、恐縮しちゃって言えなかったです」

―――山下さんはデビュー以来、順調にキャリアを重ねていて話題作にも多く出演していますが、もともとはダンサーですよね。俳優の仕事に興味を持ったきっかけは?

「ダンサーとして生きていこうと思っていたのですが、高校生のとき、友達から『ジュノン・スーパーボーイコンテスト』があると聞いて、応募したら、ファイナリストに残り、それがきっかけでデビューのチャンスをいただいたんです」

―――そこから俳優の仕事もやってみようと思ったのですか?

「実は姉も俳優なんです。同じ事務所に所属している山下ナオというのですが僕は以前から姉のお芝居を見ていたので、気持ちのどこかに『お芝居も楽しそうだ』というのがあったんだと思います。だから『お芝居をやりませんか?』と声をかけられたとき『やります!』と答えたのかもしれません」

―――お姉さんの影響でダンスに加えてお芝居もするようになったのですね。同じ表現でもダンスと芝居は違うと思いますが、ダンサーの山下さんから見てお芝居をどのように捉えていますか?

「ダンスは舞台に立ってお客さんを前にして踊るライブなんです。だからお客さんの盛り上がりが、自分のダンスにも影響を与えて、より高いところに到達できる感じがします。

俳優の仕事は、対峙する俳優さんと芝居で表現を高めていく印象があります。セリフのやりとりがリズムに乗ってうまくいくと快感がありますし、めちゃくちゃ楽しい! この快感は役者ならではだと思います。舞台の芝居はまた違ってくるかもしれませんけど」

―――今後、舞台でお芝居を披露してみようとは考えていませんか?

「舞台には興味あるのですが、まだ2時間とかぶっ通しで演じることに自信がなくて。少し怖いです」

―――意外ですね。ダンサーとしてステージに立っていたので、舞台の芝居にもハマりそうな感じがしますが。

「よく言われますが、意外とまだ踏み込めていないんです。映像の仕事はカット割りがあり、通してやることはあまりないじゃないですか。稽古を数ヶ月やって臨むので、しっかり芝居を固めることはできると思うのですが、本番で失敗したらどうしようという恐怖が拭いきれません。舞台は生ものだし、目の前にお客さんがいると思うと…。もう少し時間が必要かなと思っています」

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