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「『好きすぎてマネしたい』という気持ちが根底にある」
黒島結菜演じる“真珠”との対峙を振り返って

写真:Wakaco

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―――演じた桃山香(通称:桃ちゃん)は、主人公・夏目アラタと同じ児童相談所で働く先輩という役どころでしたが、役作りで心がけたことを教えてください。

「自分と似ている部分を探すことから始めました。お節介だったり人のこと気にしてしまったりする所や、周りの人を大事に思う気持ちは私もあったので、そういった部分はリンクできるよう、桃ちゃんに寄り添っていきました」

―――堤監督から何かアドバイスはありましたか?

「どちらかというと肯定していただくことの方が多かったです。桃山と柳楽(優弥)さん演じるアラタくんが働く児童相談所のシーンがあるのですが、私はそこで2人の関係性を深くみせたかったので、ちょっと余計なことやアドリブも付け足してしまったのですが、堤さんから『ちょっとそこはこうしてみましょうか』といった足し引きを、上手く操っていただいたかなと思います」

―――面会室で黒島さん演じる真珠と対峙するシーンでは、真珠にモノマネをされることもありましたね。

「真珠はアラタに好意を寄せていて、そのアラタが憧れているのは桃ちゃんみたいな人、というシーンがあるんですけど、きっと真珠には桃ちゃんに対する一種の憧れみたいな部分があったのかなと思うし、その気持ちはわかるんです。

私も色々な方のモノマネをしていますが、『好きすぎてマネしたい』という気持ちが根底にあるので、この人のこういうところが素敵だから自分もそうなりたい、といった憧れ的な意味で真珠もモノマネしてしまうのかなと思いました」

―――真珠とのマウント合戦では、ヒリヒリした空気感がこちらにも伝わってきました。

「演技とはいえ、あの時は本当に真珠のことが憎らしくてたまらなかったです。『なんで年下の子にそんなことを言われなくちゃいけないんだろう』っていう気持ちもある中で、桃ちゃんは児童相談所で働いていることもあり、虐待などを受けた子供のことを見たり話を聞いたりしてきたと思うんですよね。

なので『この子はきっと小さい時から色々なことを言われて育ったんだろうな』とか、『ずっと一人で寂しかったんじゃないかな』っていう気持ちが妬みの後に押し寄せてきたんです。最終的に桃ちゃんも真珠に惹かれていくのですが、そういう気持ちにさせてくれたのは、やっぱり黒島さんが『真珠』として目の前にいてくださったことが大きかったです」

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