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「選んでよかったなと思っていただける人間になりたい」
俳優としての展望を語る

写真:Wakaco

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―――完成した映画をご覧になっていかがでしたか?

「なんで死刑囚がこんなに愛おしく見えてしまうんだろうと思いました。本当はそう思ってはいけないだろうし、見えないはずなんですけど、そこが真珠を演じた黒島さんの魅力と
真珠の幼少期を演じた木村心ちゃんの演技の素晴らしさだなと感じましたね。

あとはエンドロールの素敵さにも感動しました。私はもともと、オリヴィア・ロドリゴさんが大好きなのですが、今回の映画で『ヴァンパイア』のイントロが流れた瞬間にもうしびれちゃって! エンドロールでは和訳が横に出てくるんですけど、乃木坂さん監修の映画オリジナルの和訳ってわかった瞬間に『なんて尊いものを作ってくださったんだろう』って震えました。改めてこの映画に関われてよかったなと心から思いました」

―――普段はどんな映画を観ますか?

「最近見たのは『ブルー きみは大丈夫』(2024)や『カラーパープル』(2024)です。女性が立ち上がって何かと戦う姿を見るのがすごく好きで、それが自分の糧になることもあります。“ブルー”と“パープル”って、青系ものが好きなのかな(笑)」

―――「結婚とはなにか」ということも考えさせられる作品でしたが、本作を通じて「結婚観」や「恋愛観」に変化はありましたか?

「駆け引きも時には大事だとは思いますし、例え勢いに任せたとしても、誰よりも強い気持ちで誰かを愛することに勝るものはないんだなと思いました。作中ではアラタくんの心の声が多くて『言おうか、言わまいか』といった心理戦で悩むこともありますけど、とにかく信じて待ち続けることが、ゆるぎないものになっていくのかなと思います」

―――本作の出演を経て、これからの目標を教えてください。

「期待に応えられる、選んでよかったなと思っていただける人間になりたいですね。私はまだ芝居の畑に入ったばかりなので、これからうまく種をまいて、いろいろな人に耕されて、いつか実がなったら嬉しいです」

―――誰かの期待に応えたいと思うことは、プレッシャーもあるのでは?

「ありますね。でも、そういうことも楽しんでいけるお仕事だと思いますし、こうやって初めてお会いする方にも自分のことや思いを知っていただけるのは奇跡みたいなことだと思うんです。私は決して強い人間じゃないけれど、それでいいと思っているし、誰かに助けてもらったら、誰かを助けるくらいのマインドでいるんです。なので、これからも多くの人にいいパワーを届けていけたらいいなと思います」

―――最後に、映画の見どころと読者の方へメッセージをお願いします。

「とにかく皆さんのビジュアルが大爆発なさっていますし、アラタと真珠が結婚から始まる心理戦がとても面白い展開になっています。法廷のシーンも長回しで撮られていたので、見応えがありますよ。あとは個人的に“ 海辺クンクン”っていうのがこの作品の重要かつ、パワーキーワードだと思っていて、そこが意外なところでもあるんです。 “海辺クンクン”とは何なのか、それがどこで出てくるのかもぜひチェックしてみてください!」

(取材・文/根津香菜子)

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