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「18歳くらいまで好きに生きてきた…視野を広げていくことをしなければいけない」

写真:武馬玲子 ヘア(メイク):AMANO(フリー) スタイリスト:坂上真一(白山事務所)

写真:武馬玲子 ヘア(メイク):AMANO(フリー) スタイリスト:坂上真一(白山事務所)

―――孝二郎とご自身の共通点はありましたか?

「自分がどうなりたいかも分からず、ただ一人前になりたい、認められたいという感覚は僕にもありましたし、そこから明確ではないにしても、おかしいと思うことや孝二郎なりの正義を見つけた時に、それが偽善や欺瞞であっても、自分の中で正解を見つけたという感覚は共感できる部分が沢山ありました」

―――寛一郎さんは、役者になると決めた瞬間があったと思うのですが、その時の感覚と近いものがあるのでしょうか?

「これは役と共通する部分ではないかもしれないですけど、人間は凄く周りに流されやすい生き物だと思っていて。孝二郎は松前藩の中で生まれ育って、それ以外の文化を知らなかったっていうこともあると思うんですけど、勉強して経験を経ていくことで、視座が広がるということは僕にもありました。

子供の時から役者業をしていたわけではなく、18歳くらいまで本当に好きに生きてきたので、その中で色々学べたこともあります。そこから自分がやりたいことは役者なのかなと。それも1つの経験ですよね。これから一生役者でいられるのかどうかはわからないけど、これからも勉強して、経験を積んで、視野を広げていかなければと思っています」

―――本作を経て、今後の表現に活かせることはありましたか?

「僕はアイヌ語のセリフはほとんど無かったのですが、坂東くんたちは膨大な量のアイヌ語のセリフがあって、何を言っているか分からないんですけど、でもどんなことを伝えようとしているのかは目を見たら分かるんです。

もちろん脚本を読んでいるので内容を知っているということもあるんですけど、やっぱり表現力だと思うんですね。人に何かを伝える時は、言語が一番大事ですが、それ以外にも大事なことがあると再認識できた気がします」

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