「役者として心がけることを辞める」
人として役者としての生き方
―――現場での居方で意識されていることはありますか?
「基本的には誰に対してもフラットでいたいと思うので、それは心がけています。やっぱり仕事をしていく上で、最低限のコミュニケーションは必要だと思いますし、作品を良くするためにぶつかることもあると思うんですけど、誰も気分を害さずに、楽しく仕事が出来ればいいなと思います」
―――父である佐藤浩市さんの背中を見てきたと思うのですが、父親としての姿と俳優としての姿に、どんな違いがありますか? また俳優としての凄みはどんなところに感じますか?
「父親でいる時と、俳優としている時の背中はあまり変わらない気がしますね。もちろん父のプロフェッショナルな凄さに気付くこともあります。それは技術的なこともそうですし、現場での姿や、コミュニケーションもそうですけど、現場をピシっと締めることもできますし、和ませることもできます。それはまだ僕にはできないことだし、踏襲したいところだと思っています」
―――役者をする上で、普段から心がけていることはありますか?
「ないです(笑)。僕が日頃思っているのは、役者として心がけることを辞める。普通の人として生きる。人としても役者としてもそうでありたいです」
―――最後に本作を観る方にメッセージをお願いします。
「この映画は1つの教材ではないですけど、アイヌのことを知ってもらうために作った映画でもありますし、文化を知るために凄くいいエンターテイメント作品になっていると思います。アイヌに興味がある人はもちろん観ていただきたいですし、興味がない人もアイヌという文化を知る1つの手段として選んでいただければなと思います」
(取材・文:福田桃奈)
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