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最も輝いたキャストは? 長澤まさみの歌が泣けるワケ。映画『スオミの話をしよう』評価レビュー。三谷幸喜最新作を考察

text by 田中稲

『記憶にございません!』以来、5年ぶりとなる三谷幸喜の監督・脚本作品、映画『スオミの話をしよう』が公開中だ。突然失踪した女性・スオミを長澤まさみが演じ、 西島秀俊、松坂桃李、遠藤憲一など豪華俳優陣が脇を固める本作のレビューをお届け。キャストの演技に着目し、その魅力を紐解く。(文・田中稲)【 あらすじ 解説 考察 評価】

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5人の男のマウント合戦

©2024「スオミの話をしよう」製作委員会
©2024「スオミの話をしよう」製作委員会

 『記憶にございません!』から約5年ぶり、三谷幸喜監督9作目となる『スオミの話をしよう』が9月13日(金)に公開された。設定からすでに興味深い。

 大富豪の妻・スオミ(長澤まさみ)が、ある日突然姿を消す。そこで謎を解くべく大富豪の家に集まるのは、現在の夫とスオミの4人の元夫! 年齢も職業も異なる個性的な男性たちが、スオミについて話し合うのだ。ところが、浮かび上がる彼女のイメージは見た目も性格も異なっていて…というストーリー。

 そもそも、5人の夫の面々を見るだけでも面白い。挙動不審の遠藤憲一、カタブツすぎる西島秀俊、情にもろすぎる小林隆、うさんくさい松坂桃李、わがまま爺さん坂東彌十郎、最高だ!

 製作発表で、三谷幸喜監督が、この映画は5つの要素があると話していた。それは「コメディ」「ミステリー」「恋愛映画」「長澤まさみ作品」「三谷幸喜作品」。なるほど、観て納得、そして思う。全部ひっくるめてこの映画、けっこう怖い!

 現夫と元夫の5人全員がよってたかって、妻のスオミについてエモエモに思い出すのだが、マウント合戦に必死になり、スオミ失踪の真相の追及を後回しにしてしまうほど。

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