『友近サスペンス劇場』は大人たちの文化祭
そして、宴もたけなわになったところで、プレス席からスペシャルゲストが登場する。「あるある」でおなじみのレイザーラモンRGだ。
奥野茂に扮して登場したRGによれば、ドラマ『VIVANT』(TBS系)のチンギスのベストをそのまま流用することで、世界最速の「奥野ものまね」を実現したという。
「〇〇しますよぉ~!」という奥野の口調を完全にマスターしたRGは、「死体役、やりますよぉ~!」と次回作への出演を熱望。さらに、思いっきり回り込んで会話をするという奥野のスタイルを踏襲し、客席に背中を向けて友近と対話をしていた。
そして、RGといえば外せないのが、「あるあるネタ」だ。岩崎宏美が歌う『火曜サスペンス劇場』(日本テレビ系)のエンディングテーマ「聖母たちのララバイ」を歌い出したRGは、「♪ドアをノックする音デカい~」と「2時間サスペンスあるある」を披露。
友近が「昔ってデリカシーにかけてるんですよね、全て(笑)」と言うと、芝も「ホテルの人もバリバリ個人情報言いますし(笑)」と乗っかり、客席を沸かせていた。
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2時間半にわたるイベントの間、筆者の脳裏にある光景が浮かんでいた。それは、高校時代の文化祭の光景だ。日頃勉学に勤しむ生徒たちが、壇上で自身がつくった映像や出し物を披露し、観客席の生徒がそれにツッコミを入れる―。そんな光景が、今回のイベントと重なったのだ。
「この作品はツッコミがあってはじめて完成する」―。西井監督は、イベントの中でこのように話していた。そう考えると、本作は、狭いディスプレイではなく、大きな画面のスクリーンを前に、ガヤを入れながら観るのが正解なのかもしれない。
友近が「地方の活性化になる活動」といっていた本作が、今後地方のコミュニティを形成する新たな起爆剤となることに期待したいところだ。
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