映画『万引き家族』【ネタバレあり】あらすじ
信代の働くクリーニング店は経営悪化の影響で、従業員の足切りを断行。信代と同僚の中年女性は「どちらが店を去るか」について話し合う。同僚女性は信代が少女失踪事件に関わっていることを知っており、警察にバラすと脅しをかける。信代はそんな同僚にナイフを突き立て「警察に言ったら殺す」と告げ、何も言わずに退職する。
そんな中、初枝が老衰のため自宅で亡くなった。死亡届を出せば初枝の年金が途絶え、匿っている少女の存在も警察にバレてしまう。治は初枝の遺体を自宅の庭に埋め、一家は初枝の死を押し隠し、初枝の年金をもらい続けることにする。
祥太は治から「お店のものは誰のものでもない(だから盗んでもいい)」と教えられて育った。しかし、成長し自我が芽生えるにつれて、治の教えに疑いを持ち始める。ある日、祥太はりんと一緒にスーパーマーケットを訪れる。りんが自発的に万引きする姿を見ると、店員の目を引くために、ミカンを奪って店から逃走。逃げる途中で足を負傷して、警察に捕まってしまう。
祥太の逮捕をきっかけに、警察は柴田家の家宅捜査を敢行。折しも一家は祥太を捨てて、逃亡をはかろうとするところだった。
警察の捜査によって、柴田家の秘密が次々と明らかになっていく。治と信代はかつてホステスと客の関係であり、共謀して信代の旦那を殺害していた。
初代はワケありの2人を同居人として匿っていたのだった。また、祥太はりんと同様、かつて他所から連れてこられた子供であり、柴田家の面々は血縁関係のない、他人の寄せ集めであった。信代はすべての罪を被り、刑務所に収監される。その他のメンバーはそれぞれ離れて暮らすことになった。
時が経ち、祥太は目覚ましい成長を見せ、学校でも優等生で鳴らしている。治は祥太を連れ、信代の面会に訪れる。信代の口から祥太の出自が明らかにされる。信代と治は車上荒らしの最中に、車の中でぐったりしていた祥太を保護し、そのまま我が子として育てたのだった。
帰り道。祥太は治に対し「なぜ自分を見捨てて逃げようとしたのか?」と問い、「わざと警察に捕まった」と告白する。治は祥太に謝罪し、これからは血が繋がらないただの「おじさん」として付き合っていくと話す。
一方、りんは元の家に戻り、再び虐待を受けている。治と出会った場所で一人で遊んでいる最中、また誰かが助けにやってこないかと、虚空に視線を向けるのだった。