「フラストレーションを作品に投影する」
表現者・伊藤万理華の原点
―――お話を伺って、伊藤さんが映像の現場の雰囲気がすごくお好きであること、作品を完成させるプロセスを大事にされているということが伝わりました。今回は若いチームでしたし、距離感はかなり近かったのではないでしょうか?
「クランクアップの時は、名残惜しくてチームのみんなが涙するくらいでした。こんなに団結したチームと一緒にお仕事ができたこと、みんなにとって大切な作品に携われたこと、がとても幸運だったと思いますし、映画ってこうあるべきだなと。
『面白いものを作るぞ!』という意気込みを大切にして、作るプロセスを楽しんでやるべきだなと、強く思わせられた現場でした」
―――映画を完成させる過程自体がドラマになっていたのですね。
「そうです。『やってやる!』という決意を共有したチームの団結感が勢いに繋がって、この映画のバイブスに流れ込んでいるのかなと。『ワンカットでやってみよう!』とか『これがカッコいいんだよ』などと話しながら、監督が映像を見せてくれたりする、そういう時間が好きです。作ることが好きな人って凄く素敵だなって、改めて思いました」
―――伊藤さんは様々な分野でクリエイティブな活動をされていますが、活力となるものはなんですか?
「個展は、演じることで出せるものとは違うものを出せることが魅力です。コンプレックスだったり、痛みだったり怒りやフラストレーションが溜まると、何かにぶつけたくなるじゃないですか。そういう感情が出てきた時に、人にぶつけるんじゃなくて、モノで昇華します。それは、乃木坂46を卒業する前に開催した初めての個展で体感した感覚でした。『こうやって自分をアウトプットしていいんだ』と。今も自分の中で考えているプロジェクトがあるので、実現できるように頑張っています」
―――今後の活動が益々楽しみです! 本日はありがとうございました!!
(取材・文:福田桃奈)
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