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劇場だからこその迫力を誇る「地鳴らし」

©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会

 本作の特徴としては上映時間が144分となっており、他のアニメ映画と比較してもかなり長い。近年のアニメ映画は短い作品で90分程度、長くても120分程度の作品がほとんどだ。「The Final Season」でクライマックスの展開が存分に収録されているためだろうが、前編・後編と分けることができる中、チケット1枚で堪能できるとは気前がいい。

 ちなみに、過去にもテレビアニメSeason1,Season2,Season3期の終了後に劇場版が公開されている。第1期後の劇場版は前編・後編の2本立となっており、Season2、Season3の音劇場版は1本で完結され、上映時間はすべて120分程度だった。

 これまでの劇場版では、“エレンが巨人に故郷を襲われたことをきっかけに、巨人を駆逐するために調査兵団に入る”経緯について、序盤でナレーションなどで語られていたが、本作ではそのような説明はなく、いきなり本編に入る。

 この構成について、悪く言えば過去の内容を思い出さないといけないのでコアなファン以外には不親切かもしれない。一方でよく言えば、不要な前置きがなく、開始早々に大迫力の「地鳴らし」のシーンが楽しめるともいえる。

 また、今回の完結編は、今までの謎の種明かしに多くの時間を割いている。「どうしてエレンがこれほどの大虐殺を行うのか」という謎に対する答えは、エレンが「地鳴らし」の前にミカサ(声:石川由依)やアルミン(声:井上麻里奈)に話していた記憶によって明かされる。上映時間の長さと合わせても本作は気前の良さを感じさせるのではないだろうか。

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