「シーンが立体的になっていくと実感」
撮影現場について
ーーー本作であざみが初登場するシーンでは、清水美砂さん演じる牡丹と対峙されています。撮影現場はいかがでしたか?
「清水さんがとても天真爛漫な方で、現場も明るい雰囲気でした。跳ねるような牡丹を演じられており、素敵だなと思いましたし、そのお芝居を受けるのが楽しかったです。現場では色々お話しさせていただいたんですけど、清水さんにお子さんがいらして、『子育て凄く楽しいよ!』とキラキラしながらお話されていたんです。今までは女優と子育ての両立が大変という話を聞いたことはあったのですが、その両立が楽しいということを話されたのは清水さんが初めてだったので、とても印象に残っています」
ーーー本木さん演じる竜次とのシーンが多くありましたが、中盤であざみと竜次が抱き合うシーンがとても印象的でした。お互いの傷を労りあっているように感じ、本当に切なくなりました。
「演じていても凄く切なかったです。実際に肌と肌が触れ合い、近くで呼吸を感じると本当に切なく、竜次を守ってあげたいと思いましたし、その瞬間あざみが誰にも見せてこなかった痛みを感じて、涙も勝手に流れてきて、こうやってシーンが立体的になっていくんだなと実感した場面でした」
ーーー本木さんとは本作についてディスカッションはされましたか?
「あまりしてないんです。本木さんは役作りのために減量をされていて、身体的にも精神的にもご自身を追い込んでいる印象でした。撮影以外でも、ずっと竜次としていらっしゃいましたし、現場も緊張感が漂っていました」
ーーー若松監督からはあざみ役について演出はありましたか?
「特に細かな指示はなく自由にやらせていただいたので、逆に『これで大丈夫ですか?』と不安になる気持ちもあったのですが、それを抑えながら『頑張らなきゃ』と葛藤しながらやっていましたね」