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映画『帰ってきた あぶない刑事』、最高傑作だと断言できる8つの理由 (2)ファン歓喜…旧作をアップデートした演出とは?

text by ZAKKY

テレビドラマ『あぶない刑事』として1986年に放送が開始し、これまで7本の劇場版が製作されている人気シリーズの最新作。映画『帰ってきた あぶない刑事』が5月24日より公開中だ。舘ひろしと柴田恭兵演じるタカとユージは健在なのか? 忖度なしガチレビューをお届けする。(文・ZAKKY)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価】

※このレビューでは映画のクライマックスについて言及があります。未見の方ご注意ください。
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旧作『あぶない刑事』を意識した演出に注目

©2024「帰ってきたあぶない刑事」製作委員会
©2024帰ってきたあぶない刑事製作委員会

 まず、オープニングシーンからして、とてもクールで素晴らしい!

 いきなりお馴染みのオープニングテーマ(※実は、舘ひろし作曲)が流れ出し、夜のベイブリッジを背景に、2人が乗るBMWがスクリーンを颯爽と横切る。

 セリフはないのだが、何だか笑い話をしながら、じゃれ合う2人。まさに、「あぶデカが帰って来た! でも、何回帰って来とんねん(笑)!」と歓喜とツッコミを同時に表明したくなる、ツカミの演出が見事なのだ。

 旧作と同じフォントでキャストとスタッフがクレジットされていくのも、粋である。

 ここで、旧ドラマシリーズのオープニング映像をそのまま使わなかったのも、ファインプレーと言えよう。あくまで令和の『あぶデカ』として成立させようという気概が感じられる。

 また、ユージが活躍する際に流れる『Running Shot 2024 MIX』を含め、劇中で流れるBGM、かつての懐かしい楽曲たちが、装い新たにミックスし直されている点にも注目。中には、昨今流行りのシティーポップ調の曲もあり、現代の若者たちにも新鮮に聴こえるのではないだろうか。

 エンディングテーマは、舘ひろしによる『翼を拡げて 2024 re-recorded version』。

 あぶデカのエンディングと言えば、『冷たい太陽』がお馴染みだが、ここであえて、ドラマシリーズ後期のエンディングテーマを採用したのもニクい。

 本作の監督は、父である原隆仁が『あぶない刑事』のドラマ版の監督を担当した原廣利。親子二代に渡り、あぶデカを手がけるという離れ業を成し遂げている。

 原廣利監督のみならず、他のスタッフ陣も若手へとバトンタッチ。その報を聞き、現代版の『あぶない刑事』を心配した古参ファンもご安心あれ。

 若きクリエイターたちは、あぶデカイズムを受け継ぎつつ、本作を自分たちの感性で見事にアップデートしているのだ。

(文・ZAKKY)

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