これぞ最高傑作。タイトルに偽りなし…鮮やかすぎる伏線回収とは? 映画『帰ってきた あぶない刑事』徹底考察&評価レビュー
text by ZAKKY
テレビドラマ『あぶない刑事』として1986年に放送が開始し、これまで7本の劇場版が製作されている人気シリーズの最新作。映画『帰ってきた あぶない刑事』が5月24日より公開中だ。舘ひろしと柴田恭兵演じるタカとユージは健在なのか? 忖度なしガチレビューをお届けする。(文・ZAKKY)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価】
※このレビューでは映画のクライマックスについて言及があります。未見の方ご注意ください。
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映画『帰ってきた あぶない刑事』は若者でも楽しめる?
最初に声を大にして言いたいのは、本作がオールドファンはもちろん、旧作シリーズを知らない現代の若者たちも充分に楽しめる、至極のアクションコメディ―映画ということだ。
幅広い層から好評を博しているNetflix版『シティーハンター』にも言えることだが、80年代にオリジナルが発表された作品は、ストーリー展開がわかりやすく、エンターテインメントに振り切っている。その振り切りぶりが若い人に新鮮に受け止められているのかもしれない。
刑事を引退し、ニュージーランドで探偵事務所を開業していたタカこと鷹山敏樹(舘ひろし)と、ユージこと大下勇次(柴田恭兵)が探偵免許を剥奪され、横浜に8年ぶりに帰還し、探偵業を始める。
香港在住の日本人弁護士が何者かに殺害される事件が起こり、胸騒ぎを覚えたタカは、過去に2人と因縁のある中国人・リウ・フェイロン(岸谷五朗)のもとを訪ねる。
タカはその場に居合わせたフェイロンのビジネスパートナーであるステラ・リーが、かつての恋人であり、横浜のクラブシーンを騒がせたシンガー・夏子に似ていることに気が付く。
場面変わって、2人が開業した「T&Y探偵事務所」を永峰彩夏(土屋太鳳)が訪れる。彩夏は母親を捜してほしいと2人に依頼。話を聞くと彩夏の母親は、タカとユージの旧知の女性だった。それは夏子である。
夏子捜索を開始した2人だったが、横浜では殺人事件が多発しており、一連の事件は、これまた2人と因縁のある反社組織・銀星会・会長の息子である、海堂巧(早乙女太一)の仕業であった。