柴田恭兵演じるユージの若々しさに注目
大下勇次ことユージのセクシーさも、健在だ。普段どれだけ節制しているのか。古希を超えても背筋の伸びたスラリとしたスタイルをキープしている柴田恭兵。
ユージはやはり、走りまくる。アクションシーンも実に軽やかで、70代にして、跳び蹴りを披露。そんな役者、日本に恭様以外、他にいるだろうか。ユージの伝説的フレーズを借りれば「年齢なんて、関係ないね」状態なのである。
そして、中盤にタカと2人で酒を酌み交わすシーンでは、自分もかつて夏子とただならぬ関係であったことを暴露。これによって、彩夏がどちらの子供であるかという押し問答となる。
70代にして、かつての魔性の美女とその娘を取り合うかのようなやりとりをする2人。別にケンカをしているわけではないが、この辺り、かつての『あぶデカ』にはなかった展開である。しかし同時に、2人が生き生きと役を演じているのを見るにつけ、『あぶデカ』らしさも感じさせるのだから不思議だ。
いつまでたっても女性に恋をしている2人の姿を、原廣利監督は、フレッシュな感覚で非常に巧みに表現している。