同じバディものでもこんなに違う! 相棒との関係性
©2024「帰ってきたあぶない刑事」製作委員会
『あぶない刑事』と『相棒』は2人1組のバディモノではあるが、関係性は随分異なる。
『あぶない刑事』はタカとユージが”対等”だ。役職も同じ巡査長(刑事時代)。年齢も同じ。何より互いに軽口を叩くなど徹底して対等なのである。
そんな対等な関係が本作で際立ったのは、ヒロインである彩夏について、タカとユージどちらの娘であるか二人で話す場面だ。
対等に自分の意見を伝え、それを尊重しながら笑い合うのはオシャレかつ粋である。一方『相棒』は右京と歴代相棒には明確にヒエラルキーが存在する。
役職は右京が警部で歴代”相棒”は基本的には巡査部長。年齢も最低で10歳以上差がある。”相棒”側が軽口を叩いても、右京はクールかつ皮肉で返すケースがほとんど。
また『相棒』は重い物語になるほど、右京と”相棒”の意見が割れることがある。両者のコンビネーションが上手くいかない。そんな事態が事件の深刻さを際立たせる。
しかし『あぶない刑事』のタカ&ユージも、『相棒』における右京と歴代相棒にも、等しく共通しているのは、燃える正義の心である。この共通部分こそが全く違う作品でありながら長年視聴者に愛され、長寿シリーズになった理由ではないだろうか。