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主役を輝かせることに全力を込める『あぶデカ』とストーリーを重視する『相棒』

©2024「帰ってきたあぶない刑事」製作委員会

©2024「帰ってきたあぶない刑事」製作委員会

 

 また物語の構成という点でも、『相棒』と『あぶない刑事』は大きく異なる。

 『あぶない刑事』の主軸は、あくまで”タカ&ユージ”だ。つまり、様々なアクションや掛け合いを通してタカ&ユージをどこまでカッコよく描けるかが命題であり、極端な言い方をすると、2人を輝かせるために物語が存在しているように見える。

 言ってしまえば、ゲスト俳優の登場などあらゆる要素が2人のカッコ良さを際立たせるための丁寧な前振りなのだ。

 一方の『相棒』はあくまで”事件”を描くことがメインとなる。

 『相棒』では、ドラマでも劇場版でも基本的にゲストと事件が中心で物語が進み、特命係はそれを魅力的に引き立てる存在に過ぎない。

 物語によってはレギュラー陣だけでなく特命係があまり活躍しない回すら存在する。逆に言えば特命係が活躍するだけでは味気無いので脚本も練りに練られている。

 個人的には、タカ&ユージを主軸として展開していく『あぶない刑事』、シナリオを主軸として進めていく『相棒』。どちらも大好きだ。

 刑事ドラマと一口で言っても『あぶない刑事』には『あぶない刑事』の魅力があり『相棒』には『相棒』の魅力がある。

 今回初めて『あぶない刑事』を鑑賞したが”横浜で最も拳銃を撃った刑事”のタカ、”横浜を最も走った刑事”ユージの魅力にすっかりやられてしまった。

 透を演じた仲村トオルは『あぶなくない探偵』こと”あぶ探”なるスピンオフを切望しているが、是非とも観てみたい。『相棒』だけでなく『あぶない刑事』も過去作を予習し万全の状態で待機したいと思う。

(文・Naoki)

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