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年間ベスト級の傑作! 窪田正孝×アベノマスクの衝撃…笑いに込められた意味とは? 映画『愛にイナズマ』考察レビュー

石井裕也監督が自身のパッションに従って書き下ろした脚本に、精鋭のキャスト陣が集まった映画『愛にイナズマ』は、“アフターコロナ”の現代を舞台に、理不尽な社会に立ち向かう花子と家族の物語を描く。圧倒的な熱量を放ち、人々の胸を打つ本作の魅力を徹底解説する!(文・野原まりこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

石井監督渾身の傑作!
圧倒的な熱量で描く人間の本音に胸を打たれる

「愛にイナズマ」
©2023愛にイナズマ製作委員会

我々はコロナによって、あまりにも多くのものを奪われてしまった。混沌とした社会と、自分の置かれている状況への絶望感。

この時にしか感じることができなかった思いを、映画『舟を編む』や『夜空はいつでも最高密度の青色だ』の石井裕也監督が、「今やるしかない」という衝動に従ってオリジナル脚本を書き上げた。

石井監督が持つ熱に突き動かされ、本来であればスケジュールを抑えるのが何年も先になる精鋭の俳優たちが揃い、脚本執筆から2ヶ月でクランクインするという、異例のスピードで制作された本作。

W主演を務めるのは、石井組初参加の松岡茉優と窪田正孝。松岡は理不尽な社会に夢を潰された若き映画監督・花子を演じる。窪田が演じるのは、空気は読めないがやたら素敵な男・正夫。共演には佐藤浩市、池松壮亮、若葉竜也が名を連ね、松岡演じる花子の10年ぶりに会う家族役となる。他にもMEGUMI、三浦貴大、仲野太賀、高良健吾、趣里といった錚々たる面々が揃った。

本編は、「酒」「愛」「カメラ」「家族」「お金」「神様」「雷」といった7つのチャプターに分けられ、人の本音を露わにしていく。

マスクの下に隠された本音。コロナとはなんだったのか。理不尽な世の中に反旗をひるがえす花子と正夫の物語を、石井監督史上最もユーモラスでポップに描きあげる。

主題歌には、監督の心を何度も奮い立たせてくれたという、エレファントカシマシの「ココロのままに」を起用。まさにイナズマに打たれたような衝撃的な映画が爆誕した。

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