幅広いジャンルのキャストが集結
土屋太鳳の圧倒的な演技に感服
©丹月正光/講談社 ©2024 映画「赤羽骨子のボディガード」製作委員会
個性豊かすぎる3年4組のクラスメイトたち(骨子のボディガードたち)も、本作をカラフルに彩っている。クラス最強司令塔の染島澄彦役には実力派俳優の奥平大兼、強気な空手家の棘屋寧役をマルチに活躍中の女優・髙橋ひかるが演じている。
さらに「柔道家」を木村昴、「配信者」にはあのちゃん、「詐欺師」をお笑い芸人・モグライダーの芝大輔など、本当に幅広いジャンルのキャストが大集結。どのボディガードもすごく魅力的だったので、もっと個々の能力を見てみたかった。どうにかスピンオフ作品など制作してくれないだろうか…。とくに奥平演じる染島の冷静沈着さと賢さ、そして熱い一面を持っているギャップは、荒邦とはまた違ったかっこよさで非常に“沼”である。
そして骨子を敵対視している尽宮正親も魅力的! 前情報なしに本作を観ていたら、正親を演じているのが土屋太鳳だとしばらく気づかなかったかもしれない。それぐらい、土屋の振り切った演技が炸裂していた。
最初に登場した時はラスボスなのかと思っていたが、実は正親は本作の“もう1人のヒロイン”である。ひょんなことから荒邦を好きになってしまった正親が、独特すぎるアピール方法で荒邦を振り向かせようとするシーンは、正直、骨子に匹敵すぎるぐらい可愛くて魅力的。正親のイケメン感と可愛らしさと強烈さをここまで表現できるのは、土屋だからこそではないだろうか。改めて土屋の幅広い演技力に圧倒された。
アクション、恋愛、友情、家族愛と、さまざまな要素がギュッと詰まった本作。クスッと笑えるシーンもあれば、感動で思わず涙するシーンも。夏にピッタリの疾走感あふれる本作を、ぜひ劇場で楽しんでほしい。
(文・紺野真利子)