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「こんな山田涼介が観たかった」
妙な納得感をもたらす快心の演技

山田涼介
山田涼介Getty Images

役者経験のない人が観ても「“役に入り込む”とは、きっとこういう状態を指すのだろう」と、思わせるほど、普段の様子からは想像できない出で立ちでスクリーンを躍動する山田。

減・増量などの役に合わせた体型のコントロールにはじまり、普段は光を放つ目も役に合わせて鋭く曇らせる。ダンスをしている影響もあるのだろうリズムのある俊敏な動き。バラエティ番組に出演する山田とはとても同一人物とは思えない。

余談だが、昨年行われたHey! Say! JUMP4大ドームツアー『Hey! Say! JUMP LIVE TOUR 2023-2024』の東京ドーム公演1日目でのこと。山田は髪を赤く染めて登場。

額をつたって流れる汗に髪の染料が混ざり、まるで血のような赤い汗となって流れた。それがミステリアスでセクシーで…筆者に鮮烈な印象を残した。

キラキラとしたステージでたくさんの歓声を浴びながら輝くアイドルもやる。一方で、俳優として妥協せず、狂気的な芝居だってする。

鑑賞後、こんな山田涼介が観たかったのかもしれない……と作品の見ごたえと共に妙な納得感があった。

(文・柚月裕実)

【作品情報】

『BAD LANDS バッド・ランズ』

安藤サクラ 山田涼介

監督・脚本・プロデュース:
原作:黒川博行『勁草』(徳間文庫刊) 音楽:土屋玲子
配給:東映/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(C)2023「BAD LANDS」製作委員会
公式サイト

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