ホーム » 投稿 » 日本映画 » 劇場公開作品 » 元乃木坂46・伊藤万理華の魅力爆発…想像を痛快に裏切る展開とは? 映画『チャチャ』徹底考察&評価レビュー

元乃木坂46・伊藤万理華の魅力爆発…想像を痛快に裏切る展開とは? 映画『チャチャ』徹底考察&評価レビュー

text by 前田知礼

酒井麻衣が監督・脚本を手がけ、伊藤万理華が主演を務める映画『チャチャ』が現在公開中。人目を気にせず、好きなように生きる主人公・チャチャの一風変わった恋を描いている本作。今回は、前半と後半で物語がガラッ変わる演出や、チャチャのキャラクター性について徹底的に解説する。(文・前田知礼)【あらすじ キャスト解説 考察 評価】

—————————–

【著者プロフィール:前田知礼】

前田知礼(まえだとものり)。1998年広島県生まれ。2021年に日本大学芸術学部放送学科を卒業。制作会社での助監督を経て書いたnote「『古畑任三郎vs霜降り明星』の脚本を全部書く」がきっかけで放送作家に。現在はダウ90000、マリマリマリーの構成スタッフとして活動。ドラマ「僕たちの校内放送」(フジテレビ)、「スチブラハウス」、「シカク」(『新しい怖い』より)」(CS日テレ)の「本日も絶体絶命。」の脚本や、「推しといつまでも」(MBS)の構成を担当。趣味として、Instagramのストーリーズ機能で映画の感想をまとめている。

風変わりなチャチャの物語

©2024「チャチャ」製作委員会
©2024「チャチャ」製作委員会

 2021年夏、全ての映画ファンは”伊藤万理華”に恋をしたと言っても過言ではない。

 映画作りに青春を燃やす時代劇オタクの高校生・ハダシを好演した映画『サマーフィルムにのって』がスマッシュヒット。時同じくして、チェーン店のグルメ・通称“チェンメシ”とラジオが大好きな主人公・高村美園を演じたテレビドラマ『お耳に合いましたら。』も放送された。

 自分の“好き”にまっすぐで、早口で“好き”への愛を捲し立てる彼女の姿に、映画ファンたちは自らを投影せずにはいられず、瞬く間に伊藤万理華に夢中になった。そんな、あの夏、伊藤万理華に恋した勢に必見の映画が、10月11日に全国公開された酒井麻衣監督の『チャチャ』である。

 小さなデザイン会社で働くイラストレーター・チャチャ(伊藤万理華)と、同じビルのレストランで働く樂(中川大志)によるビザールラブストーリー。“風変わりな恋のお話”という直訳の通り、屋上でばったり出会ってひょんなことから同棲生活が始まるという火ドラ(TBS火曜10時の恋愛ドラマ枠)の第1話のような王道ラブストーリーは前半まで。後半は予期せぬ方向へとストーリーが転がっていく。

1 2 3 4 5
error: Content is protected !!