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Netflix実写版『シティーハンター』が世界的成功を収めた5つの理由&数少ない欠点とは? 忖度なしガチレビュー&評価

text by ZAKKY

80年代を代表する名作漫画「シティーハンター」。待望の日本版実写映画がNetflixで配信中。主人公・冴羽獠を演じるのは鈴木亮平。今回は、原作を愛するライターが、全世界1位の快挙を成し遂げた本作の魅力、物足りなかったポイントを忖度なしでレビューする。(文・ZAKKY)【あらすじ キャスト 考察 解説 評価 レビュー】

絶賛ポイント① 原作未読の視聴者も魅了する完璧なプロローグ

『シティーハンター』
©北条司コアミックス 1985

最初に、断言したい。

今作は原作愛にも溢れ、また、原作を未読の方でも、充分に楽しめる極上のエンターテインメント作品である。それはNetflix週間グローバルTOP10で初登場1位という記録が雄弁に物語っている。

原作における第6話からの『恐怖のエンジェルダスト編』がベースとなってはいるものの、人間の理性を無くし、身体を強化する麻薬「エンジェルダスト」をめぐるオリジナルストーリーである。

まず、物語の展開が非常にわかりやすい。

新宿駅の伝言板に「XYZ 妹を探してください」という書きこみがあり、依頼を受けた冴羽獠が動き出す。

「もちろん、警察には届けたのですが、ネットでXYZのことを知って…」という、美女。

場面は一転。

「最近、新宿には不可解な事件が」という、エンジェルダスト投薬者が暴れていると思われるニュース音声が流れだす(ちなみに、こちらの声優は、アニメ版の冴羽獠役である御大・神谷明)。

そして、「もっこり、もっこり、もっこりちゃ~ん♪」と、ビルの屋上で女性サウナのロビーを覗き見しながら、歌う冴羽獠(オリジナルのくだらない歌も秀逸)。

そして、車で待機する槇村からの「聞いてんのか、獠!」という連絡により、敵陣がいるビルへと、颯爽とワイヤーロープを駆使して奇襲に入る。

完璧な、プロローグである!

新宿駅に現代では掲示板は存在しないが、それがなければ『シティーハンター』は成り立たない。依頼人の「(伝言板の情報を)ネットで知って」というセリフも入っているので、そこはひとつ、現代と80~90年代が混在した世界観として、有りだと判断してほしい。

また、「もっこり」という冴羽獠の代名詞をちゃんと入れているのも、ポイントが高い。
コンプラだなんだと煩い昨今の風潮に「もっこり」ぐらいで、ごちゃごちゃ言わせてたまるか! という制作陣の気概をビシビシ感じる。

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