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ラストが原作と全然違う…賛否両論の結末に見る浅野いにおの天才性とは? 映画『デデデデ 後章』徹底考察&評価レビュー

浅野いにお作品初のアニメ化を果たした映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』が公開中。前章に引き続き、浅野いにおフリークであるライターが映画の見どころを徹底解説。本作は面白い? つまらない? 忖度なしレビューをお届け。(文・ジュウ・ショ) 【あらすじ キャスト 声優 考察 解説 評価 レビュー】

※このレビューでは映画のクライマックスについて言及があります。未見の方ご注意ください。
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【著者プロフィール:ジュウ・ショ】

フリーランスとしてサブカル系、アート系Webメディアなどの立ち上げ・運営を経験。コンセプトは「カルチャーを知ると、昨日より作品がおもしろくなる」。美術・文学・アニメ・マンガ・音楽など、堅苦しく書かれがちな話を、深くたのしく伝えていく。→note

原作漫画とは異なる結末を迎えた『デデデデ後章』

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』
©浅野いにお小学館DeDeDeDe Committee

浅野いにおの大人気マンガ『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』。その劇場アニメ後章が5/24(金)より公開となった。幾田りら、あのがW主演を務めたことで話題になった本作。前章が好評を集め、期待値が高まる中での封切りだ。

レビューに入る前に、あらすじを確認しておこう。

入試に合格し、亜衣や凛と同じ大学に通うことになった門出と凰蘭。大学では竹本ふたば、田井沼マコトと意気投合、 会長の尾城先輩がいるオカルト研究部に入部してキャンパスライフが始まった。一方、宇宙からの〈侵略者〉は東京のそこかしこで目撃され、自衛隊は無慈悲な駆除活動を粛々と実行していた。上空には、傾いて煙が立ち上る母艦。政府転覆を狙い〈侵略者〉狩りを続ける過激派グループ・青共闘の暗躍。世界の終わりに向かうカウントダウンが刻まれる中、凰蘭は、またもあの不思議な少年・大葉に遭遇する…。

「前章」のレビューでも書いたように、原作漫画は全12巻の内容だ。それを前後章の4時間程度でまとめるのはさすがに厳しい……ということで、原作とアニメはかなり大きな違いがある。

例えば映画版では「侵略者との同居生活をYoutubeで配信する動画のシーン」「ジャーナリスト・三浦太郎がファンに『早く東京から逃げろ』とメッセージを送るシーン」など、世界が滅亡することは早い段階で示唆される。

世界滅亡というオチを最初に明かすことで、ストーリーがわかりやすくなる。物語の展開が早まってもスッと入ってくるのは、この工夫が効いているからだろう。

一方で、原作ファンとしては「めちゃめちゃハイテンポに進むな〜」と思ってしまうポイントでもあり、筆者自身、若干、駆け足な展開であると感じた。

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