ホーム » 投稿 » 日本映画 » 劇場公開作品 » 衝撃的なラスト…幾田りら&あのに感じた唯一の違和感とは? 映画『デデデデ 前章』徹底考察&評価。原作との違いを深掘り解説 » Page 5

サブカル好きに刺さる小ネタが満載

©浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
©浅野いにお小学館DeDeDeDe Committee

また何と言っても「サブカル好きにウケるキャスト・小ネタ」が盛りだくさんだったことも外せない。まずW主演を務めたのが門出役の幾田りら、おんたん役のあのである。

いまや2人とも紅白歌手としてメインストリームの存在になったが、連載当時はまだまだ「ヴィレッジヴァンガードで人気の人」だった。

この2人の演技が本当に上手い。幾田は映画『竜とそばかすの姫』(2021)以来の2度目、あのは初挑戦 とのことだが、なんの違和感もなく聞けるクオリティで、感情表現も激しく涙を誘うシーンもある。

唯一の違和感は、個人的には「おんたん」のイントネーションは「ニャンちゅう」と一緒だと思っていたが、実は「ぶんちん」と同じだった、ということくらいだろうか。

そのほかの出演者も豪華なのだが、なかでも作中に登場するマンガ作品「イソべやん」のキャラクター・デベ子の声は、先日ご逝去されたTARAKOである。慣れ親しんだ声を聞けて感動するとともに、少ししんみりしてしまった。

また、音楽を担当したのは『ユーリ!!! on ICE』(2016)や『キャロル&チューズデイ』(2019)などにも参加された梅林太郎。アーティストとしてもサブカル御用達に大人気の方だ 。

音楽でいうと、BGMとして一部、でんぱ組.incの『あした地球がこなごなになっても』が流れる。

まさに『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』の連載中にリリースされたこの曲では作詞と、なんとギターを浅野いにおが担当している。 ちなみにMVには浅野が描いたでんぱ組.incのメンバーが登場する。 これもファンとしては有名だ。

このほか、いわゆるスラングやコピペをはじめとした”インターネットネタ”もちょいちょい登場するなど、ちょいとこじらせたインテリサブカル人間に刺さるコンテンツが、原作通りしっかり再現されている。

1 2 3 4 5 6 7