ホーム » 投稿 » 日本映画 » 劇場公開作品 » 衝撃的なラスト…幾田りら&あのに感じた唯一の違和感とは? 映画『デデデデ 前章』徹底考察&評価。原作との違いを深掘り解説

衝撃的なラスト…幾田りら&あのに感じた唯一の違和感とは? 映画『デデデデ 前章』徹底考察&評価。原作との違いを深掘り解説

アニメ映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』が公開中だ。浅野いにお作品としては初のアニメ化となる本作。浅野いにおフリークであるライターが映画の見どころを徹底解説。本作は面白い? つまらない? 忖度なしレビューをお届け。(文・ジュウ・ショ) 【あらすじ キャスト 声優 考察 解説 評価 レビュー】

ーーーーーーーーーー

【著者プロフィール:ジュウ・ショ】

フリーランスとしてサブカル系、アート系Webメディアなどの立ち上げ・運営を経験。コンセプトは「カルチャーを知ると、昨日より作品がおもしろくなる」。美術・文学・アニメ・マンガ・音楽など、堅苦しく書かれがちな話を、深くたのしく伝えていく。→note

浅野いにお初のアニメ作品

©浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
©浅野いにお小学館DeDeDeDe Committee

2024年3月22日、漫画家・浅野いにお作品としては初のアニメ化となる『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章』が公開された。古の浅野いにおフリークである筆者としては、アニメで観られるだけで嬉しかったし、作品としても素晴らしい仕上がりだったと思う。

あらすじ

物語の舞台は、巨大な宇宙船が地球に現れてから3年後の東京。人々はこの異常な状況に次第に慣れていき、宇宙船の存在はある種の新たな日常となっていた。そんななか女子高校生の門出(かどで)(幾田りら)やおんたん(あの)をはじめとするグループも楽しく毎日を送っていたのだが、ある日、親友の一人・栗原キホ(種﨑敦美)が宇宙船事故に巻き込まれて命を落としてしまう――。

 

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』は、浅野いにお先生のマンガを原作としたアニメ作品だ。浅野先生といえば、ここ20年にわたって 日本中の文化系大学生たちを虜にし、次々にサブカル系メンヘラ男女を開発し続ける天才漫画家である。

さて今回の劇場アニメ版『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』は、「全12巻の原作を前後編の2つに分ける」という、なかなかにチャレンジングなアニメ作品だ。そのため原作とは内容が違う部分も多かったが、自然に編集されており、最後まで違和感なく楽しめた。

浅野先生はコンセプトからキャスト会議まですべて関わり、前章だけで100~200カットのリテイクをし、直接レタッチすることもあったという。昨今、話題になりがちな「原作者問題」だが、今作は原作者の意向が反映されたため、自然につながったのだろう。

1 2 3 4 5 6 7