2.ちーちゃんが家に執着する理由
ちーちゃんが家に執着する理由は、「誰にも幸せになってもらいたくないから」である。ちーちゃん自身が幸せになることができなかった家で、他人が幸せになることが許せないのだ。
近所の住人たちの話からすると、ちーちゃんは度々家に戻ってきていたそうなので、家に引っ越してきた人物全員に例外なく嫌がらせをしていたのだと考えられる。
また冒頭シーンからもわかるように、ちーちゃんは誰も住まなくなった家に居座り、家に侵入してきた人々を無差別に襲いかかる怪物と化している。同時に、家=ちーちゃんと考えることも出来、家に引っ越してきた家族が幸せになってしまうと、ちーちゃんも幸せになってしまう、という方程式が考えられる。
しかしちーちゃんは幸せにはなりたくないため、だからこそちーちゃんは家に引っ越してきた家族を徹底的に不幸な目に遭わせているのだ。そんなちーちゃんが幸せになりたくない理由は、「人の幸せを壊すのが楽しいから」だと考えられる。
これは、ちーちゃんは家族から愛情を注がれて育ってきていないため、幸せが何かとはわかっていないことが原因である。萌花と友情を育み、一瞬幸せそうに見えたが、あの瞬間は幸せではなく単純に楽しかったのだろう。そしてちーちゃんは、人の幸せを壊すことに無類の楽しさを感じているため、徹底的に人を不幸にしているのである。