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古参ファンも唸る、映画オリジナルアイテム

ドラえもん
ドラえもんGetty Images

そして、特筆したいポイントを。原作初期から数回登場した道具である「あらかじめ日記」を始め、映画版のみのオリジナルアイテムだけではなく、オールドファンを唸らせる道具を、随所に散りばめていることだ。

のび太たちが所持する、おもちゃや人形に「ロボッター」を使い、楽器を演奏させたり、「ムードもりあげ楽団」と一緒に音色を響かせるなど。

極めつけは、本来「人形」に残った思い出を蘇らせるといった道具「オモイデコロン」を、惑星ムシーカに残された、「欠損した笛」にふりかけ、「笛」の思い出を蘇らせるという演出である。

これにより、「欠損した笛」の思い出が、のび太、ドラえもん、ミッカの心の中にビジョンとして映し出される。

その笛の持主は、冒頭のシーンで地球に送りこまれた少女であり、彼女はミッカの双子の妹であった。後に彼女を発見した少年と結婚をし、「音楽(ファーレ)」を地球に持ち込んだ人物だということが明らかになる(ミッカは4万年の間、惑星ムシーカで、ムシーカ人の根を絶やさぬようにと、周囲の計らいで長い眠りに着いていたので、現在でも少女の姿であった)。

さらに、チャベックが尊敬する音楽家・壊れたロボットであるヴェントー(モデルはベートーベン)を、ドラえもんが修復したり、ドラえもんの喉に入り込んだ「ノイズ」を、のび太たちの演奏で撃退したりなど、イベントはてんこ盛り。

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