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生の試合かと錯覚させる圧巻のボクシングシーン

(C)2023 映画『春に散る』製作委員会
C2023 映画春に散る製作委員会

本作最大の見どころは、何といってもボクシングの試合のシーンだ。佐瀬役の片岡鶴太郎は33歳の時にJBCのプロテストに特例として合格し、鬼塚勝也や畑山隆則のセコンドとして、世界戦のリングを何度も経験している。

また、大塚側のリングサイドに陣取り、黒木と対峙するセコンドには『義足のボクサー GENSAN PUNCH』(2021)で主役を演じた尚玄がおり、さらに、アドバイザーとして、元WBA世界スーパーフェザー級王者として11回連続防衛の記録を持つ内山高志や、村田諒太も担当した世界的トレーナーの田中繊大氏を起用している点で、「本物」を見せようとする心意気が見て取れる。実際、格闘シーンでは、リング横で試合を見ているような没入感を味わうことができる。

桜の花びらがモチーフとして使用され、劇中でも印象的な本作。桜が散る儚さと主人公の生き様をリンクさせる演出も効いており、身を削って拳を差し向け合う登場人物たちの生き様を通じて、命の尊さを改めて実感させられる作品だ。

【作品情報】
上映時間:133分
監督:瀬々敬久
原作:宮崎駿
脚本:瀬々敬久、星航
音楽:田中拓人
キャスト:佐藤浩市、横浜流星、橋本環奈、坂東龍汰、松浦慎一郎、尚玄、奥野瑛太、坂井真紀、小澤征悦、片岡鶴太郎、哀川翔、窪田正孝、山口智子
配給:ギャガ
製作:映画『春に散る』製作委員会
公式サイト

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