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間取りを読み解くミステリーホラー『変な家』

Ⓒ2024「変な家」製作委員会
Ⓒ2024変な家製作委員会

小説『変な家』は、なんの変哲もない1枚の間取り図から始まるミステリーホラーだ。間取りの違和感に気づき、その違和感がさらなる謎を呼び、その謎が新たな間取り図を吸い寄せ、最終的にはとある呪われた一族の物語にまでお話は飛躍していく。

そんな小説の『変な家』は、「本を読む」というより「間取りを読む」に近い感覚で読むことができる。ほぼ全ての見開きに間取り図の画像を入れてくれているため、ミステリー小説を読むときに陥りがちな「トリックが巧妙過ぎて図を見せられてもよくわからない」といった現象も起こらない。

さらに文章はオモコロ記事由来の会話形式なので時間を忘れてすらすらと読める。90万部以上も売れるわけだ。

映画版の予告編の冒頭、スクリーンいっぱいに肝となる物件の間取り図が表示され「あなたには、この間取りの異常さがわかりますか?」という雨穴さんのナレーションが流れる。予告からも、この作品が「事故物件に住む映画」ではなく「間取り図を読み解いていく映画」なのだと分かるだろう。

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