「次は君だ」が若きヒーローたちに与える影響
平和の象徴と呼ばれ、出久の憧れであり、師とも言える「オールマイト」(三宅健太)は、No.1ヒーローとして多くの人に勇気と希望を与えていたが、“悪の帝王”オール・フォー・ワンとの死闘を制したあとに「次は君だ」という言葉を残す。
ヒーローとしての活動が難しくなり、引退したオールマイト。しかし、彼がいなくなることは「平和の象徴」がいなくなることも意味する。
「次は君だ」という言葉は、変容する時代の中での世代交代、平和の消失の中で動揺する人々への希望、そして「最強のヒーロー」を目指す若者たちへの強いメッセージである。
が、そんな中で登場するのが「ダークマイト」だ。オールマイトの言葉をいいように解釈し、力でなにもかもねじ伏せようとするその姿はヒーローではなく、ヴィランそのもの。
そんなダークマイトと戦う中で、出久やA組クラスメイトの爆豪勝己(岡本信彦)、轟焦凍(梶裕貴)らは「ヒーローとは何か」を考える。彼らはみな少なからずオールマイトに憧れ、それぞれの胸の内には理想のヒーロー像があり、理想の世界がある。
ダークマイトの出現によって、出久たちの理想のヒーロー像と「こうあってほしい」という理想の世界のビジョンは明確になる。その点、物語のターニングポイントだと言っていいだろう。