悪銭だらけの詐欺師の転落人生
Netflixシリーズ「地面師たち」Netflixにて世界独占配信中 ©新庄耕/集英社
僕にこの作品のレビューを頼むということは、リアルな裏社会と映画を比較して欲しいということだったのかもしれない。
残念なことに地面師の知り合いはいなかった。ただ、もっとずっと小さな規模で詐欺をした話は聞いたことがある。
大阪の西成で某暴力団組織が経営する飲食店に潜入していたことがあった。結果的に、その組織からは飛んだ(逃げた)のだが、いろいろあって潜入中に知り合った20代の若者を東京に連れて帰って来るハメになった。
その若者はしばらくは渋谷をフラフラとしていたのだが、いつの間にか駅前で偽ブランドの販売をしていた。
「偽ブランドの販売は実はメインやないねん。こういう悪い商売してたら、オッサンが『シャブないか?』って聞いてくるねん。そいつらにシャブを売るのが本当の仕事やねん」
となぜか得意げな顔で言った。
つまり、僕が西成から連れて帰ってきた男は、覚醒剤を販売する男になったわけだ。
リスクの高い仕事だから、それなりにもらっていたらしいが、悪銭身につかず。ギャンブルですって一文無しに。しまいにはシャブの売上金に手を出した。