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ホンモノの詐欺師たちが見せる“早業”

Netflixシリーズ「地面師たち」Netflixにて世界独占配信中 ©新庄耕/集英社

Netflixシリーズ「地面師たち」Netflixにて世界独占配信中 ©新庄耕/集英社

 彼のボスもまだ20代後半の若さで、暴力団には属さず、一匹狼で商売をしていた。

 中国マフィアから安く覚醒剤を買って、それを一般人に売ったり、場合によっては日本の暴力団に流したりしていた。ハイリスクすぎる仕事だ。

 そんな仕事をしていたので、中国マフィアとは深いつながりがあった。

 突然、ボスに

「チャンスをやるよ。中国窃盗団がある会社で仕事をしてる時に、たまたま通帳と判子が見つかった。中国人では銀行から現金を下ろすことができないから、都合の良い日本人はいないか? って急ぎで聞かれた。お前、無事に全額下ろすことができたら、今回お前が盗んだ金はなかったことにしてやる」

 と言われた。

 オーケーする以外、選択肢はない。

 通帳を見つけたのは、午前中だったが、すぐに体に合った背広を作ったという。髪を黒く染め、品の良いカバンや靴も用意された。

『地面師たち』では染谷将太が演じたニンベン師が、交通免許証を偽造した。銀行でお金を下ろす時には、基本的には身分証はいらなかったが、万が一怪しまれた時のために作ったそうだ。

 まだICチップが入っていない時代の免許証だが、数時間で作るというのはすごい早業だ。

 全て中国マフィアが用意したと聞いた。

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