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意外に珍しい今泉力哉監督による青春恋愛映画

永野芽郁
永野芽郁Getty Images

 ドラマの演出に関しては映画と同じ今泉力哉監督が手掛けているのでドラマと映画がシームレスに繋がって見える点もポイントだ。

 今泉力哉監督は、今年で43歳と映画監督としてはやっと中堅に差しかかったばかり。

 映画学校「ニューシネマワークショップ」の受講を経て、ENBUゼミナールのスタッフとなり、2010年に『たまの映画』で長編監督デビューを果たした。

 筆者はニューシネマワークショップの映画ビジネス部門を受講していたこともあり、ニューシネマワークショップ関連イベントで映画監督として活動したばかりの今泉監督にご挨拶をさせていただいた経験がある。大した会話はしていないがとても丁寧な物腰が印象的だった。

 2010年代半ばからはコンスタントに長編映画を手掛けていて、年に複数本の新作が公開されることもある。

 その多くの作品がラブストーリーであることから、今泉力哉監督は“新世代の恋愛映画の旗手”と評されるようになってきている。

 アラサー女性の片想いを描いた2019年公開の『愛がなんだ』はロングランヒット。その後、『mellow』(2020)、『窓辺にて』(2022)、『アンダーカレント』(2023)と立て続けに話題作を手がけ、近年では、今泉力哉監督作品であるということが、セールスポイントになってきた感がある。

 手がける作品は、原作モノからオリジナルまで様々だが、どの作品でも程よい距離感で登場人物に寄り添う作風は共通していると言えるだろう。

 邦画で恋愛モノというとティーンエイジャーの物語が多いが、今泉力哉監督のフィルモグラフィーには実はそういったものは少なく、今回の映画『からかい上手の高木さん』など珍しい部類に入る。次のページからは、今泉力哉監督が手がけた、王道の青春恋愛映画の気になる出来栄えについて見ていこう。

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