富岡義勇「俺はお前たちとは違う」の意味
また1話、2話では炭治郎を鬼殺隊に招いた富岡義勇がフォーカスされる。富岡義勇は最初「今回の柱稽古には参加しない」と、柱合会議会議を中抜けしてしまう。柱合会議とは、柱たちが集まる会議のことだ。
炭治郎は、鬼殺隊のトップ・お館様の依頼を受けて、柱稽古に不参加を表明した富岡義勇のもとを訪れ、「稽古つけてくださいよ~」としつこく付きまとう。最初は相手にしなかった義勇も根負けし、自身のコンプレックスを告白する。
それは「最終選別で何もできなかった自分が、運よく生き延びただけで合格した」「親友の錆兎に助けられ、錆兎は死んでしまった」というもの。1話で義勇が柱たちに「俺はお前たちとは違う」と言っていたが、その言葉の真意は「自分は柱としての資格がない」ということだったのだ。
この「あまりにしつこすぎて、根負けして独白する」という展開は、『鬼滅の刃』という作品に良い意味での軽快さをもたらしている。「いや、耐えられないんかい!」と心の中でツッコミながら観るのも一興だろう。炭治郎という性善説の塊のような男の行動力を物語っているシーンだともいえる。
炭治郎が一喝することで、義勇は過去を払拭して立ち直り「炭治郎が義勇よりざるそばを多く食べたら柱稽古に参加する」という謎のゲームが始まる。2話では炭治郎がドカ食いするシーンも描かれており、彼の裏表のない性格が発揮されるシーンが多かった印象だ。