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表情ひとつ変えず落涙するシーンが素晴らしい

嬴政/吉沢亮

吉沢亮【Getty Images】

吉沢亮【Getty Images】

 吉沢が演じる嬴政(えいせい)は、秦国の若き王。異母弟・成蟜(本郷奏多)のクーデターを信とともに制圧し、王座を奪還した。戦乱の世を終わらせるため、「中華統一」を目指す。

 本作では戦況の報告を聞きながら、自軍の生還を見守る役に徹している。そんな嬴政を演じる吉沢亮は、相変わらずクールな演技が冴えわたる。

 最大の見せどころは、最終的に龐煖に撃ち倒された王騎の死の報が入った際に見せた、表情ひとつ変えず落涙するシーンである。

 感情をほころばせつつ、王としての威厳も保とうとするその表情からは、自身に忠誠を誓った家臣である王騎に対する想い(上下関係を超えた友情)がしっかりと感じられた。そのシーンにおける、瞬きもしない眼差しの鋭さと美しさに、ファンならずとも魅了されたに違いない。

 吉沢亮のキャラクター再現度は、前作の時点でほぼ完璧であったが、筆者はこの場面を観て、100%、吉沢亮=嬴政が完成したと感じた。吉沢の演技を堪能するためだけでも、本作をスクリーンで観る価値がある。

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