絶賛ポイント④映画化を見越した見事なエンディング
露伴とトニオは、アワビの密漁に挑む。
しかし、巨大なアワビは人体にまとわりつき、トニオは溺れてしまう。
露伴も同じ目に合い、潮の流れで鳥居がある謎の岩礁へ。そこにはかつての密漁者たちの白骨死体があった。どうやら、この海岸に生息するアワビは病気に利くことは事実ではあるものの、密猟者には容赦なく攻撃をしかけてくるという、何とも荒木ワールドな奇妙な特徴を持っている。
トニオを助けるために再び、海中へ潜る露伴。しかし、再びアワビの攻撃が。
そこで、露伴が取った行動は、さらに海中の底にいた、アワビの天敵である「蛸」に「ヘブンズドアー」の能力で「アワビを倒せ」といったようなことを書き込み、難を逃れるといった、これまたトンデモ展開が巻き起こる。
「人間以外にも、ヘブンズドアー能力は通じんのかい! だったら、アワビにまず使えや!」というツッコミはさておき(笑)、蛸は水面を泳ぐ野鳥をも捕食するというやべー生物だということを思い出した。蛸、ナメちゃあかん! なのである。
まあ、そんな、余談はさておきとして、結局、「アワビを捕食した蛸」をおそらく、露伴は捕らえたのだろう。
そして、トニオはその「アワビを捕食した蛸」を使った料理を駆使し、フィアンセの病気を治しており、彼女は車椅子を使わず、立って歩いているシーンが映し出される。
このフィナーレには、原作を何度か読んだ際にも、気付かされたことがある。
トニオと露伴による「アワビを捕獲する密漁」という後ろめたい行為が、「アワビを捕食した蛸を捕獲しただけ」という、結果的に犯罪行為になっていないのだ。
露伴の機転と「ヘブンズドアー」能力が利いているところが素晴らしい。善人であるトニオも、善意で協力した露伴も犯罪者ではないのだ。
さらに、ここからドラマオリジナルの演出が見られる。最後に泉京香が「次の取材はイタリアですかね」と発言をするのだが、イタリアンシェフのトニオを主軸とした今作を踏まえた上での次作を想像させるこの流れは、上手すぎる。
前ドラマ作『ジャンケン小僧』(2022)のラストシーンにおいても、泉京香がフランスに行くこと匂わす発言をし、映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2023)が実現したことを思い返せば、次作はイタリアか、と期待に胸を膨らませずにいるのは難しい。何より、まだ実写化されていない『懺悔室』および『岸辺露伴 グッチへ行く』は、イタリアが舞台なのだ。
「オイオイオイオイ、やりすぎなんじゃあないか」と露伴風に言いたくもなる、今度は両作を繋いだ物語として、映画化される伏線ではないかと、期待しかない次第なのである。
5月18日~『Amazon Prime Video』では『密漁海岸』に加え、本編では語られなかった泉京香(飯豊まりえ)のショート・ストーリーが独占配信される。
さらに、このタイミングで素敵な報が舞い込んできたァァァ! 高橋一生さん、飯豊まりえさん、ご結婚、おめでとうございます!
今作で知り合ったお2人がこれからのシリーズでご夫婦で出演されることになるわけで、その阿吽の呼吸がさらに深まる演技を観られるかと思うと、楽しみで仕方がないのダァァァァ!!!
(文・ZAKKY)
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