神がかっているキャラクター設定
鬼太郎の父と水木が両者とも魅力的なキャラクターであることは、人々がこの作品の沼に落ちていく要因のひとつだろう。
争いごとを好まない鬼太郎の父の戦闘シーンは格好良すぎて瞬きを忘れてしまうほど。普段はゆったり構えているのに、妻のことになると凄まじい形相で感情をあらわにするそのギャップはたまらない。
彼の入浴シーンに関しては、風呂好きな目玉おやじを想起させるとともに、その肌の露出に思わずドキっとさせられてしまうのも正直なところだ。
戦争の時代を経験した水木は身だけでなく心に傷を残しており、経済成長期の日本で生き残るための処世術を滲ませている。逞しいながらも内部まで侵されてしまう危うさもあって目が離せない。
鬼太郎の父と過ごすうちに見えなかったものが見えるようになっていくのも興味深いところだ。
着流しの似合う幽霊族と、スーツを纏うサラリーマン(人間)が共闘する姿は眼福で、鬼太郎の父の髪が伸びることをはじめ、本作のキャラクター設定はもはや神がかっていると言える。
加えて、幽霊族の血が水木の体に与えたかもしれない具体的な影響も気になっている人が多いだろう。