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映画『言の葉の庭』【ネタバレあり】あらすじ

新海誠監督Getty Images

 7月に入ったある日。ユキノはタカオにお弁当のお礼として「靴づくりの本」をプレゼントする。そしてタカオは、今自分が作っている女性用の靴を、ユキノのために作ることを決意する。

 早速ユキノの足を採寸しようとするタカオ。ユキノは、そんな彼に「私ね、うまく歩けなくなっちゃったの」とつぶやく。

 しかし、2人の交流はほどなく終わる。梅雨が明け、雨が降らなくなったからだ。ユキノもタカオも互いに会いたい想いを募らせていたが、口実がないためなかなか会う機会がなかったのだ。

 しかも、タカオは靴の専門学校に行く学費や靴づくりの材料費の調達のため、ほとんど毎日バイトを入れており、なかなか時間を作れなかった。しかし、タカオは、ユキノから子どもだと思われたくない気持ちから、必死で靴を作っていた。

 そして、夏休み明けの9月。タカオが同級生と話しながら学校の職員室の前を通っていると、偶然ユキノと出会う。ユキノはタカオの高校の古典の先生だったのだ。

 しかもユキノは、じきに高校を辞めるのだという。どうやらユキノは、生徒たちの嫌がらせによって根も葉もないデマを流され、精神的に追い詰められているようだった。

 一連の話を聞いたタカオは、嫌がらせの首謀者である3年の先輩女子相沢のもとへ向かう。そして、悪びれる様子の無い彼女の頬を思いっきりひっぱたく。すると、彼女の味方の男子たちに逆に殴り飛ばされ、顔にケガを負ってしまう。

 後日、タカオは、ユキノと新宿御苑で再会する。そして、絆創膏だらけの顔に驚くユキノに、『万葉集』の返歌である「雷神(なるかみ)の、少し響みて降らずとも、我は留らむ、妹し留めば」を読み上げる。

 それを聞いたユキノは、それが正解と言ったあと、自分が古典の教師で、学校内の有名人であることに気づかせるためにあの短歌を詠んだのだ、と語る。

 続いて、ユキノから顔のケガの理由を尋ねられたタカオは、はじめこそ冗談でごまかすものの、すぐに本当のことを述べる。

 と、その時、突然雷鳴がとどろき、土砂降りになる。2日はいつものあずまやのベンチで雨宿りするが、あまりにも雨が激しかったため、そのままユキノのマンションへ向かう。

 濡れた服を乾かしている間にタカオは料理を作り、ユキノはコーヒーを淹れる。他愛のない会話に花を咲かせる2人は、今が人生で一番幸せな瞬間だと直感する。

 そして、タカオから、好きなんだと思う、と告白されたユキノは、頬を染めて目を逸らすが、地元の四国の実家に戻ることを伝え、高校生のタカオに大人の対応をとる。

 しかし、ユキノは、自分が新宿御苑で靴がなくても歩けるようになる練習をしていたことや、靴を作ってくれたことへの感謝の意を伝える。すると、その言葉を聞いたタカオは、生乾きの服に着替え、ユキノの部屋を出ていく。

 残されたユキノは、タカオと今まで過ごした日々を回想し、タカオの後を追いかける。

 ユキノは、マンションの階段で立ち止まるタカオを見つけ駆け寄るが、今度は「さっきのは忘れてください。やっぱり、あなたの事、嫌いです」と突っぱねられてしまう。

 そしてタカオは、ユキノに対して怒りをぶつける。ユキノは、泣きなが、自分がタカオに救われたことを伝え、タカオと固く抱擁する。

 季節は変わって冬。ある雪の日、タカオが白く染まった新宿御苑へ足を運ぶ。その手には、四国で教師に復職したユキノからの手紙があった。

 タカオは、出来上がったばかりのユキノの靴を、いつもユキノが座っていた場所に置き、次のように思う。「歩く練習をしていたのは、きっと俺も同じだと今は思う。いつかもっと、もっと遠くまで歩けるようになったら会いに行こう」―。

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