ホーム » 投稿 » 日本映画 » 劇場公開作品 » 北野武の集大成なのに…映画ファンが”もやもやする”ワケ。『首』考察&評価。時代劇の解体は成功したのか? 徹底解説 » Page 3

往年の北野組が再結集
豪華絢爛なキャスト陣の競演

©2023 KADOKAWA ©T.N GON Co.,Ltd.
©2023 KADOKAWA ©TN GON CoLtd

また、キャスト陣も今までの北野映画の集大成のような豪華な布陣になっている。

まず、明智光秀役は、『Dolls』(2002)で主演を務め、大のビートたけしファンを公言している西島秀俊が演じる。また、秀長役の大森南朋は『Dolls』と『アキレスと亀』(2008)、『アウトレイジ最終章』(2017)に、官兵衛役の浅野忠信は『座頭市』(2003)に、荒木村重役の遠藤憲一は『その男、凶暴につき』(1989)に出演している。

そして注目は、なんといっても織田信長役の加瀬亮だろう。『アウトレイジ』シリーズでも振り切った演技を見せた加瀬だが、本作ではそれ以上に酔狂な信長を演じている。キツめの三河弁でクダを巻き、光秀や秀吉に絡む「話の通じないヤツ」感は尋常ではない。

また、千利休役の岸部一徳、安国寺恵瓊役の六平直政と、処女作から北野武を支えてきた北野組の面々が出演しているのもなんとも嬉しいところだ。とりわけ、『ソナチネ』(1993)でおなじみの寺島進(般若の佐兵衛役)と勝村政信(斎藤利三)、津田寛治(為三役)、矢島健一(本多忠勝)の4人が揃っているのは、往年の北野映画ファンにはたまらないサプライズだろう。

また、本作では、中村獅童や木村祐一、小林薫ら、北野映画初参加組に加え、柴田理恵や劇団ひとり、アマレス兄弟といったタレントたちも脇役として花を添えている。このあたりの演技合戦も見逃せない。

1 2 3 4 5 6